瞻星臺=編集余話

日付: 2015年11月26日 10時06分

 プレミア12の決勝戦が、日本の準決勝敗退を受け、地上波で中継放送されなくなった。韓国紙がチクリと報じた。日本のテレビ局としては、妥当な判断だろう。視聴者は日本代表の試合を見たいのだから▼ただ、一抹の残念さはある。今大会は、野球の世界ランク上位12カ国による世界一決定戦だ。最強メンバ―を揃えた国は確かに少ないが、自国が絡まない試合になると、とたんに興味が薄れるのがこの国の常である▼2回目の東京五輪を5年後に控えているが、スポーツへの関心は高まっているといえるだろうか。恐らく、日常的に体を動かす人は過去に比べて増えている。趣味にスポーツ観戦を挙げる人も少なくない。ただ、ひょっとして、とも思う。「がんばれニッポン」が叫ばれはじめた遠い昔から、大多数の人々の関心事は大して変わっていないのではと▼少し前に日本中を沸かせたラグビーW杯では、日本の快進撃を各国のファンが称賛している…などと報じられた。実際にそうだった。日本のトライに歓声を上げる外国人がどれほどいたか▼五輪開催が決まり、盛んに「おもてなし」といわれるようにもなった。外国人と興奮や悔しさを共有するのも、もてなしではないか。言葉が通じなくても「ナイスゲーム」の一言でいい。スポーツの醍醐味の一つだ▼韓国では2年半後に冬季五輪が控えている。「韓国人は韓国が勝つこと以外に興味がない」ともいわれるが、スポーツの醍醐味はもっと深い。それを金寅植監督以下、今回の韓国代表は示してくれた。


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