建国67周年のこの8月に、大韓民国は陸と海で接する3面から、そして国内から極めて不快な、尋常ではない挑戦に直面している。韓国の安保と国際環境を象徴する一連の出来事を見てみよう。
まず、北側だが、またも卑劣な地雷攻撃で非武装地帯を戦場化した。スターリンの主義の化石として、3代・70年目の「金氏王朝」の暴走で、秋頃のより大きな挑発の前兆だ。
韓国が70年間前進する間、北は後退して19世紀に戻った。この「悪の体制」は自らを「金日成民族」と称しながら、人民の精神と肉体を破壊し、文明史の潮流である開放・協力体制に抵抗し、大韓民国の破滅を公言している。
そして、突然、8月15日から「平壌時間」を適用すると発表した。「主体年号」と「平壌時間」は、北側が犯してきた民族反逆と蛮行を物理的にでも取り戻す正当性の根拠と言えよう。韓国は決断を強いられている。
西の中国は、「人民解放軍戦勝節」行事に韓国大統領を参加させる外交工作を展開している。中国共産党は金日成、スターリンと共謀した6・25戦争のとき、韓半島を侵略し、今も同盟関係の金氏王朝の後見役だ。北韓の核武装を積極幇助し、大韓民国に敵対している。習近平は副主席のとき、中共軍(人民解放軍)の韓半島侵略を「正義の戦争」と言い放った。
その中国が朴槿恵大統領に人民解放軍戦勝節行事に参加を強いてきたのは、大国主義や中華覇権主義の発露で、韓国を服従させられる国と見縊っている証左だ。
東側の安倍政権は8月6日、「21世紀日本構想有識者懇談会報告書」を公開した。いくら首相の注文に応じて作った政治的報告書とは言え、ここまで韓国を無視、敵対する内容を日本政府の公的報告書としたことに怒りを覚える。報告書は、安倍政権とその追従勢力が韓日関係を発展させる意思のないことを示した。
報告書は便宜的な歴史観を剥き出しにしている。満州事変以後、中国への侵略は認めたが、韓国への侵略は言及すらない。「韓国との和解」項目はあるのに、なぜ和解すべきだったかは誤魔化した。
日露戦争についての記述は、報告書を作成した主体の思考体系を疑わせる。日本の勝利は「ロシアの膨張を阻止したのみならず、多くの非西洋の植民地の人々を勇気づけた」とある。清とロシアと戦って韓半島を植民地にした日本が「植民地の人々を勇気づけた」と韓国人を嘲弄した。
報告書は、韓国の対日姿勢を理性と心情の間で揺れるものと決めつけた。日本への好不好を基準として国々を二分する。原爆が投下された事実をもって日本が被害者であるかのように糊塗し、日本の膨張主義の凄絶な失敗の過程で、アジアの共産化という惨禍をもたらしたことや、韓半島の分断と70年間の消耗戦には目を瞑る。
一方、外からの挑戦や環境悪化に対応するための総力態勢が必要な韓国社会は、いま極度の混乱に陥っている。特に、大韓民国より金正恩の肩を持つ勢力が国会を麻痺させ、第1野党の新政連は敵の挑発には無関心で、国家の安保体制の弱体化に力を尽くしている。
韓国社会のあらゆる混乱の中心に歴史観の対立がある。正しい歴史観が立てられず、歴史を他人に支配される国民は自主独立を保てない。誤った歴史観は自国だけでなく、国際社会にも紊乱を来す。
歪曲された歴史観の象徴が「光復70周年」だ。「建国」を消して「光復」を強調するのは、北側との歴史・政治戦争での負けだ。北側は金日成の抗日闘争で「光復」ができたと宣伝・洗脳してきた。これは歴史的事実に反する。金日成は満州では中国共産党に尽くし、ソ連領に逃げた後はソ連軍の初級将校だった。そして、日本が敗亡してから3年間、韓半島は米・ソの軍政下に置かれた。
もはや、大韓民国は自分の力で生存と尊厳を保つ道を進まねばならない。周辺国の覇権主義、大国主義に立ち向かう覚悟と実力を備えねばならない。そして、大統領や政府が内外の挑戦に適切に対応できないなら、国民が立ち上がらねばならない。「歴史戦争」も「統一」も同じだ。結局、国民が国家の主人であるからだ。