国際社会が金正恩体制への圧迫を強化している中、韓国はそれとかけ離れた姿勢をとっている。従北勢力はもちろん、メディアと国会は対北圧迫をするどころか、朴槿惠政権の国政混乱を煽っている。それが金正恩体制の延命につながるにもかかわらず。
鄭義和国会議長(セヌリ党)は17日「南北韓国会議長会談」を提案した。野党の国会ボイコット戦術で正常な国会運営すら麻痺した状況で、張成澤や玄永哲などを裁判なしで処刑する金正恩体制を相手に会談を提案した鄭議長の判断能力を疑わざるをえない。
韓国の国会が機能不全に陥った最大の理由は、野党・新政治民主連合にある。同党の主導権を、主体思想派出身者や彼らと連合する勢力が握っているためだ。
平壌は国内外の従北勢力を総動員し、朴政権の無力化を図っている。国情院が携帯電話などのハッキングを通じて民間人を査察したという謀略扇動に出ている。国会議員の特権が、利敵行為に使われている。
国家情報院の「民間人ハッキング査察説」を扇動する従北派は、北側が日常的に韓国をサイバー攻撃していることには抗議すらしない。従北勢力の謀略扇動は、国家情報院の無力化、国家保安法廃止、駐韓米軍撤収に焦点が合わせられている。つまり、大韓民国の自由民主体制と安保と法治の無力化だ。
先月、朝総連と一緒に韓国系米国人・申恩美の訪日ツアーを支援した韓統連(韓民統)は、結成(1973年)から今まで反国家団体として判示されている。彼らは平壌の暴政を隠すため、つまり、北韓の人権惨状、全体主義の恐ろしさ、世襲独裁などへの国内外のマスコミの関心をそらすために、「韓国の問題」を捏造・誇張することが最大の目的となっている。
平壌の対南戦略、韓国内の従北派への指令方針などを知るためには、”朝鮮労働党在日支部”である韓統連の主張や活動を見ればいい。多くの人々は、金大中元大統領が死刑を宣告された理由が光州事態の「内乱陰謀」のためと思っているが、これは誤解だ。死刑が宣告された最大の理由は、彼が反国家団体である韓民統(現・韓統連)の首魁だったからだ。
従北勢力は、韓国が分断70年間、米国と日本の植民地だったと主張してきた。植民地が「70年で」先進国になれるなら、平壌を含むすべての後進国は、日米の植民地になるのが近代化と先進国への近道といえる。
もっとも、金日成の王朝では、もはや自国通貨よりも周辺強大国の通貨が流通している。事実上の経済植民地だ。
人間は過ちを犯す。それを認めて反省すべきであり、繰り返してはならない。反省と改善のない体制は、進歩の可能性もない。
平壌と従北派は、自らの過誤を認めない。朝総連と韓統連は、日本を「反韓基地」にし、韓国を効果的に攻撃してきた。その構図は今もほとんど変わっていない。
日本社会は、在韓日本大使館の前に「軍慰安婦少女像」が放置されていると憤慨するが、日本内に大韓民国破壊のための反国家団体を放置・庇護してきた点に対しては、どういう感想を持っているのだろう。(続く)