【特別企画】韓日基本条約締結50年-6

「最悪」と呼ばれる関係だが… 評価されるべき両国の成功
日付: 2015年06月17日 07時45分

 今の韓日関係を「最悪」という人は少なくない。しかし、何がなぜ最悪なのかを聞いてみると、その実体は非常に曖昧になる。朴槿惠大統領と安倍首相のイメージの衝突を、両国のメディアが対立しているように報道していることと無関係ではないだろう。それが「最悪」という雰囲気を生み出しているとしかいいようがない。
冷静に見れば、両国関係は100年前、70年前、または50年前とは比較できないほど、良好になった。
両国間の葛藤と摩擦は、国交正常化以来絶えなかった。初期は、政治・安保的摩擦や経済摩擦が同時進行した。貿易赤字などの経済摩擦が目立った時期もあった。近年は、日中関係の悪化にともない、この問題に韓国が巻き込まれている状況だ。
韓日の葛藤は思うほど深刻なものではない。中国の台頭によって日中関係に緊張が走り、それが思わぬ形で韓日関係に影響しているといえる。朴槿惠大統領に必要以上の警戒感と嫌悪感を抱く人たちやマスコミが、これを韓国に対する嫌悪感に拡大させ、さらに韓国と中国がともに「反日同盟」でも組んでいるかのように誇張している。
韓国と日本は植民地関係を清算してからの70年間の発展と成果に対し、互いに認めて祝福し、尊重すべきだ。両国は、健全な競争と自由市場経済体制に基づいた世界5大工業国で、年間1兆ドル以上の貿易規模を持つ。経済的な門戸は広く開放されている。
人口5000万人以上の国に限ってみた場合、1人あたりの国民所得が3万ドルを超える国は世界に7カ国だけ。非ヨーロッパでは日本と韓国だけだ。
日本と韓国の成功は、アジア諸国だけでなく、大多数の発展途上国の希望になった。なのに、なぜ韓日は互いに背を向けているのか。国交正常化50年を迎え、これまで看過してきた葛藤の原因があるかを見てみよう。
韓日両国が主権国家として国交を正常化したのは、植民地の支配・被支配の関係が終わってから20年後のことだ。この20年という時間は早かったのか、遅かったのか。
ドイツとフランスは、戦後18年で和解条約(エリゼ条約)を結んだ。イスラエルと西ドイツは1965年5月に修交した。韓日と同じ時期だ。
韓日の”再会”は、韓国にとっては早かったといえる。韓国は分断された国土を統一・回復できないまま、かつて植民地の宗主国だった日本と国交を正常化した。南北の分断70年は、もはや35年の植民地時代の2倍だ。確実にいえるのは、20年後に再会した両国は、まったく新しい国、新しい姿になっていたということだ。
今、韓日の間で目に見える重要な相互不満、摩擦は、歴史観に関連する。日本は70年前の敵国とは和解しながら、韓国とは摩擦が続いている。日本側は、韓国側が問題にする歴史観に対して、それは国家間で共有できないものだと強調する。この歴史観の衝突は、ここ70年間の両国の歴史の形成過程からきたといえよう。
日本は1945年8月、敗戦で米国に占領され、戦前への復旧と主権回復を目標にした。一方、米・ソに分割占領された韓半島には戻れる過去がなかった。封建王朝だった過去に戻るという考えは誰もしなかった。だから南北は、韓半島の歴史上存在したことのない新しい体制を志向する「建国革命」の道を進むしかなかった。
「6・25戦争」により、韓半島は日本の植民地になる前の状態にまで破壊された。韓国は地政学的にアジア大陸から分離されて島国となり、南北は譲歩と妥協が不可能な対決を70年間続けている。
韓国は、日本との国交正常化を韓米同盟の強化と将来の国土統一の基盤とするため推進したが、日本の考えは違った。韓国は、両国関係の未来を考慮して1970年代から、すべての高校で日本語を第二外国語として教えてきた。一方、日本は韓半島の分断管理と等距離政策に重点を置いた。国家の大戦略において両国は、ビジョンを共有しなかった。日本は戦争中の韓国が体制を守るために設けた法的装置(国家保安法)さえ認めなかった。
そのため韓国では、日本は自由民主主義の価値を守るための東西冷戦を軽視し、理念と関係なく自国の利益を追求してきたという不快感や不信感が強かった。これは将来、韓国が北韓を自由民主体制で統一しようとするとき、日本が協力するだろうかという疑問をもたらした。大韓民国は北韓を解放すべき理由と義務と責任がある。これを否定する国は韓国と未来ビジョンを共有できない。
国家間の競争や摩擦や葛藤はいつの時代にもあるものだ。ただそれを、戦略的に増長しようとする者がいる。韓日関係が強固になってしまっては困る人々は、いかなる手段を使っても阻止しようとしてくる。
韓日は互いの違いのため対立にエネルギーを消費するよりも、力を合わせて共通の利益を見出す方が、有益ではないか。例えば近年、日本は「力による現状変更に反対する」と繰り返し強調しているが、平壌の核ミサイルにはどう対応するのか。韓国は単独でもやらねばならないが、友邦である日本と共にこの問題を解決することが望ましい。(洪熒・本紙論説主幹)


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