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韓日交流行事は今や日常の光景に(2010年の日韓交流おまつり=東京) |
韓国と日本の人的往来は、右肩上がりで増えてきた。中でも急激に増えたのは80年代後半だ。韓国でソウル五輪が開かれ、国民の海外旅行が自由化となった。それまで日本では「韓国は軍事独裁の怖い国」とのイメージが強かったが、それは徐々に薄まっていった。
内閣府が行っている調査によると、韓国に「親しみを感じる」、「どちらかというと親しみを感じる」と答えた人の割合は、1988年に初めて半数を超えた。その後は再び5割以下に下がったものの、90年代後半には半数以上が好感を示している。
90年代後半以降は、経済的な要素が渡航者数の増減に影響しはじめる。韓国が「IMF危機」に見舞われた90年代後半、訪韓日本人は増えているのに対し、訪日韓国人の伸びは緩やかになった。円高の時期は訪韓日本人が増え、ウォン高では逆転するという傾向は今も続いている。2012年に李明博大統領(当時)が独島(竹島)を訪問し、両国関係は悪化した。それが一因となって訪韓日本人は減少しているが、対日感情が悪化しているといわれる韓国からは、2014年に過去最多となる275万人超が訪日している。
「韓流ブーム」が起きた2000年代、韓国への親近感は6割に迫る。韓国を訪れる日本人は200万人を超え、韓国からの訪日客と合わせて年間500万人が両国を往来する時代になった。30年で10倍増という伸びだ。
人的交流の増加にともない、韓国と日本の両国では交流行事も盛んに開かれるようになった。数十年におよぶ民間レベルの交流が地方自治体へと広まり、姉妹都市提携が結ばれた例もある。
2005年からはソウルで政府主催の大規模イベントが始まった。年に1回開催される「日韓交流おまつり」だ。09年からは東京でも行われるようになり、今では両国の交流を促進する一大行事として定着している。