22日、韓国と日本は国交樹立をしてからちょうど50周年を迎える。現在の両国関係は、「最も近い友好国」という言葉が空虚に聞こえるほど冷えきっている。2013年2月の朴槿惠政権発足後、韓日首脳会談は一度も開かれていない。誰が見ても異常な状態が続いている。
両国政府の指導者たちは、互いに離そうとしても離れられない関係などと、オウム返しのように言うが、世界に与える印象は好もしくはない。
「歴史問題は経済や民間交流とは別」と、線引きをする動きもある。しかし、政府レベルの関係悪化は、諸分野に悪影響を及ぼしている。
最近、サムスン電子の新型スマートフォンが日本で発売された。サムスンは自社のロゴを入れずに販売するとの判断を下した。韓国製品の売り上げに日本の「嫌韓ムード」が影を落としているのはほぼ間違いないだろう。訪韓日本人は2012年の年間350万人から、昨年は240万人に急減した。日本人の底意に韓国に対する見方の変化はないか。相手国への否定的な感情は、過去最悪レベルに向かっているということを両国外交は重要視すべき時期に来ている。
東アジア研究院と日本の市民団体「言論NPO」が4月から5月8日まで実施した韓日共同世論調査の結果によると、韓国人の72・5%、日本人の52・4%が、互いに「良くない」との印象を抱いている。相手国の社会・政治体制について複数回答できいたところ、韓国側は「軍国主義」が56・9%、日本側は「民族主義」が55・7%でそれぞれトップだった。
韓日両国民は、互いを過去のイメージで見ようとしていないだろうか。隣国でありながら、互いに実情を知らないのか、知ろうとしていないのか。
あるいは韓日は現実として、過去に退行していっているのかもしれない。先の世論調査ではいみじくも韓国人の半数以上が日本に「軍事的脅威を感じる」と答えている。そう思われる動きが日本側にないとはいいきれまい。少なくともそう思われていることにもっと敏感であるべきだろう。
両国はこれまで幾度となく、政府が歴史問題に執着し、修復の機会を逃してきた。朴大統領は5月20日、ユネスコ事務総長と会見し、日本が世界遺産登録を進めている遺構について、強制徴用があった施設だとして登録に反対の姿勢を示した。菅義偉官房長官は、「政治的主張を持ち込むべきではない。極めて残念だ」と返した。こと近代史に関して、韓日の認識は一致せず、互いの批判は止まらない。
最近、韓日両国が互いに接近する動きを見せはじめている。歴史問題で中断されていた韓日閣僚級会談が続々と再開されている。
2年以上開かれていなかった両国の財務相会談と経済相会談、観光相会談が開かれたのに続き、第14回アジア安全保障会議が行われたシンガポールでは、4年ぶりに韓日防衛省会談が実現した。今まで滞ってきた政府レベルの対話は、堰を切ったように続いている。
2012年からの数年間、両国関係はぎくしゃくしていた。きっかけは領土問題だった。歴史問題だけでなく、領土問題も解決は遠い。問題が俎上に上がるたび、解決策はないと痛感させられた。
慰安婦や独島(竹島)問題が噴出した瞬間、政治家は強硬な立場に立たざるをえない。両国の指導者が自国民の感情だけを慮ったがために、状況を悪化させた側面もなくはない。
経済問題は別といいつつ、両国は今年2月、100億㌦規模の通貨スワップ協定を延長しなかった。一時700億㌦に達した両国の融通額はゼロとなった。560億㌦に達する韓中通貨スワップとは対照的だ。
隣国との経済協力を打ち切った日本も、日本とのスワップが切れても平気なそぶりの韓国も、まずは現状を認識してアプローチしやすい問題から取り組んではどうだろう。先の世論調査では、両国民の6割以上が韓日関係を「重要」と答えている。その声に耳を傾けるのにさほど勇気はいるまい。