大法院(最高裁判所)が李石基などの内乱関連事件に対して有罪を確定した。21世紀のOECD加盟国で国会議員による内乱事件が起きたのは、韓半島がまだ戦争中であることを物語る。ところで李石基のRO(革命組織)は、はたして内乱勢力のすべてだったのか。
ところで、国際社会も平穏ではない。特に、西欧文明そのもののヨーロッパが不安定化している。ヨーロッパは経済的に南北共存が難しくなった。IS(イスラム国)は、西欧文明に対する無差別攻撃を宣言した。パリでメディアを襲撃し、対テロ軍事作戦に直接参加してもいない日本の国民まで虐殺する蛮行を恣行している。文明の衝突だ。
だが、韓国社会はこの文明の衝突とは無関係のように、政治家は福祉ポピュリズムに明け暮れている。もっとも韓半島では、すでに70年間も文明(自由民主)と非文明(全体主義独裁)が闘争している。ISよりも危険な金正恩は、核ミサイルで韓米同盟と周辺国を脅かしながら、IS顔負けの残虐さで自分の部下まで処刑している。
韓国社会は「普遍的福祉」という”麻薬”にいつまで酔っているか。与野党が煽ってきた「福祉政策」は、ヨーロッパですでに破綻した南ヨーロッパ型だ。この失敗した福祉ポピュリズムにノーといえる理性が韓国社会にはない。自由と安保なしで経済と福祉は存在しない。まともな政治家なら、今は福祉の拡大ではなく、北の核ミサイルとサイバー攻撃に対する備えを強化すべきだ。
問題は、朴槿惠政権の迷走だ。朴槿惠政権は違憲政党として解散させられた統進党の”主人”(平壌)と信頼関係を構築するため焦っている。「光復70周年記念行事」を南北で一緒にしようとは正気か。
ロシアが第2次大戦戦勝70周年行事に朴大統領の参加を要請している。韓半島の半分を占領しスターリン主義を移植したことで、分断70年間で700万人の犠牲をもたらしたロシア(ソ連)の態度はあまりにも図々しい。朴槿惠政権は侮られている。
国連など国際社会が北韓住民の人権を案じ、金正恩を糾弾しているのに、統一部と統一準備委員会が金正恩との信頼構築と金正恩支援に苦心するのは話にならない。南北鉄道の連結は虐殺されている同族の救援より重要なのか。
同盟国の大統領と議会は、金正恩体制の終息のために努力している。韓米両国は韓国戦争とベトナム戦で11年7カ月を一緒に戦い、東西冷戦でも共闘した。韓米同盟は今再び文明社会を守る戦いをともにせねばならない。
韓日関係の未来ビジョンは何か。韓日は昨年末にようやく米国を媒介として韓米日軍事情報共有約定を締結した。韓日国交正常化より2年前に締結された仏独協力條約(1963年)は、ヨーロッパ統合の土台になり、独仏が合同軍まで発足させたこととは対照的だ。
平壌は大韓民国の生存を破壊すると宣言した。世界中のテロ集団と連帯してきた平壌側との信頼関係が、韓日関係よりも重要といえようか。ちょうど、李明博・前大統領の回顧録を通じて、金正恩体制の正体と南北関係の真実を全国民が知った。朴槿惠政権は内政の失敗を糊塗するため南北関係を利用するという誘惑に負けてはならない。
韓日関係の後退は、朝総連対策において、韓日の安保協力の基盤まで破壊している。先週、朝総連本部の建物が転売された。いろいろな陰謀の臭いがし、朝総連本部が退去しないための策謀が感じられる。日本当局はISよりも危険な金正恩の前衛勢力をいつまで放置するつもりか。
民団の覚醒も促したい。民団の「懸案」が韓半島分断70年の終息と北韓解放より重要なのか。個人的な確執のせいで、民団は国の負担になっている。
朴槿惠政権は失敗してはならない。韓半島分断を終息させ、北韓住民を解放しなければならない。朴大統領はポピュリズムと決別せよ。分断70年はすでに植民地35年の2倍だ。この恥ずかしい分断の記録を一体どこまで伸ばしていくのか。