<韓日修交50年(下)> 日本の部品を韓国で加工 変化の時迎える経済

「お客さん」からライバルへ 今はパートナーとして提携も
日付: 2015年01月01日 00時00分

73年に操業を始めた浦項製鉄
 韓国と日本の経済的なつながりを強化しようという動きは、国交正常化以前からあった。まだ交渉中だった1960年に任意団体として創立された日韓経済協会(現在は一般社団法人)がその中心だった。
1965年に国交正常化されると、日韓経済協会の会員企業を含め、日本からの技術協力などが盛んに行われるようになった。その代表格が浦項製鉄(現POSCO)だろう。八幡製鉄、富士製鉄、日本鋼管の技術協力を得た浦項製鉄は1973年に生産を始める。建設費などには対日請求権資金があてられた。
ソウルの地下鉄工事や国鉄の電化といったインフラ整備も日本企業との連携で進められた。自動車産業でも日本製のエンジンを積んだ韓国車が製造された。
一方、韓国企業は技術だけでなく、日本企業から部品を買い、それを国内で製品化して輸出するという経済モデルも構築した。こうして成長していったのが現代グループやサムスングループなど、今や世界に名だたる大企業だ。
韓日の貿易規模は国交正常化からの50年間で約500倍になった。あらゆる分野の中で経済交流が一番活発に行われてきたことを印象づける数字だ。
一方、日本に部材輸入を頼っていると、韓国にとって貿易赤字になる。韓国は他国との貿易で日本との貿易赤字を埋め、結果的に貿易黒字を増やしているが、円安基調の現在、日本からの輸入を控え、他国や自国内で調達しようという動きも出始めている。こうした動きが進めば、韓国の貿易不均衡も是正されるだろう。

 「韓国と日本はライバル関係」
経済の世界ではよくいわれる言葉であり、家電や自動車で両国の企業が鎬を削っているのは事実だ。
「BtoC(企業と個人の取引)だとそうかもしれませんが、BtoBではそうでもないんですよ」と話すのは日韓経済協会の木村慎一郎理事だ。BtoB、つまり企業間取引では韓国と日本の企業間にサプライチェーンが構築されており、ウィン・ウィンの関係にあるという。サムスン製品が売れると日本のメーカーも潤う、というのもよく聞く言葉だ。
韓国企業はかつて、日本企業にとっては部品を買ってくれる”お得意様”だった。それは今も基本的な構図において変わらないのかもしれない。しかし韓国企業はBtoCにおいて日本企業のライバルになった。韓国企業の対日依存も下がりつつある。
一方、近年では韓日の企業連合が第三国でパートナーとして手を結ぶケースもある。双日など日本の4企業・機構と韓国のPOSCOおよび韓国国民年金基金は2011年、ブラジルのニオブ(レアメタルの一種)鉱山開発事業に共同出資した。木村理事によると、韓国企業は工期の短さや価格競争力、日本の企業は情報力や技術、チームをまとめる力があり、パートナーとして適しているのだという。


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