大韓民国への反逆 その連鎖を絶て(33)

韓国内に2万人以上 スパイの「管理人」
日付: 2014年11月06日 04時57分

 予想したとおり、北韓は11月1日、労働党統一戦線部の「祖平統」名義で、対南対決を宣言した。脱北者らが中心となって飛ばし続けている対北ビラと北韓人権問題に対する国際社会の圧力を、朴槿惠政権が後押ししているという理由だ。北韓は北に敵対する韓国人の”処断”まで公言している状態だ。
韓国最大の環境運動団体である「環境運動連合」は、脱北者が飛ばした対北ビラを「ゴミの不法投棄」であると警察に「告発」した。北韓が脱北者らを「人間のゴミ」と罵倒した2日後の10月26日のことだった。
従北派らは脱北者の対北ビラに対する物理的阻止行動も起こしている。北の核開発や核実験には沈黙してきた従北分子たちの、平壌の指針への呼応、盲従といわざるをえない。
従北派の跋扈を事実上放置・庇護してきたのが司法府であることは、すでに何度も指摘した。中でも一部の裁判官は、スパイなど公安事件の裁判で、事件の実体究明のための最低限の努力も放棄し、被告に無罪を宣告する例が相次いでいる。
中には従北弁護人の積極的な偽証教唆によって被告が陳述を変えたにもかかわらず、明確な証拠を排除して無罪を宣告した判決もある。北韓が反国家団体である理由を立証するよう求める裁判官までいたという。
対共事件の裁判がここまでひどくなったのは、対共事件が昔とは違い、普通の刑事事件として扱われているのが理由だといわれる。
大検察庁はことの深刻さから先月、裁判所に対共事件専担裁判部の設置を要請する方針を決めた。現に裁判所には、経済事犯、麻薬、食品保健、選挙事犯をはじめ、少年事件や交通事件などの専担裁判部などが設けられている。
このことは国政監査でもとりあげられた。
セヌリ党の金鎮台議員が、統一前の西ドイツや南ベトナムの例、そして故・黄長燁氏の証言などから、韓国国内に少なくとも2万人以上のスパイがいると主張、対共事件専担裁判部の設置を政府に要求した。
金鎮台議員は、特にスパイ嫌疑で起訴された被告に偽証を教唆した弁護人として「民弁」(民主社会のための弁護士会)所属の張慶旭弁護士の例を摘示した。
張弁護士は、中国国籍でありながら脱北者に偽装してソウル市職員になった華僑スパイ事件をはじめ、女スパイ事件や北韓の保衛部が派遣したスパイ事件などで、捜査過程での自白を法廷で否定するよう、執拗に被告を懐柔した。
張弁護士は2011年3月、沈載桓(統進党の李正姫代表の夫)とともに「在日韓国人捏造スパイ事件再審弁護人団」として大阪を訪問。康宗憲などに再審を促した人物でもある。
張慶旭は、昨年ドイツで北の統戦部幹部と接触したことも捜査当局に知られている。まさに「弁論活動にかこつけた事実上の反逆行為」だ。
張慶旭ら「弁護人団」は、統進党の解散や内乱陰謀罪に問われた李石基被告の弁護も受け持っている。李石基や康宗憲らが犯したとされる国家反逆罪を庇護する張慶旭や沈載桓らは、表では法廷における被告と弁護人の関係だが、裏では北の対南工作において朝総連などとも地下で一つにつながっている巨大組織の仲間同士なのだ。
10月3日に死亡したことが最近になって伝えられた、労働党225局長の康寛周(姜周一)は、この巨大組織を平壌で操った指導部の1人だった。李石基や康宗憲、張慶旭などは、従北の元祖・朝総連の差配人(管理人)ともいわれた康寛周の死をどう受け止めているのだろうか。(続く)


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