大韓民国への反逆 その連鎖を絶て(28)

従北擁護の裁判官が韓国の立て直しを妨害
日付: 2014年09月25日 00時00分

 大韓民国政府が機能不全に陥っている。セウォル号が急激に傾いて沈んでいった光景を見るような戦慄を覚える。国会は野党の政治的怠業により、セウォル号沈没事故以来、機能を停止したままだ。政府を構成する軸の一つであるはずの国会が傾いたことで、有機的に繋がっている行政府も一緒に傾いている。
今、大韓民国はどこまで傾いているのか。
セウォル号の遺族と、この惨事を政治的に利用しようとする勢力が真相究明を叫びながら、韓国社会を難破状況に追い込んでいる。しかしセウォル号沈没は海難事故であり、沈没に至った過程と原因はすでにすべて究明された。船舶会社と船長をはじめとする船員たちの信じがたい安全認識不足、法規違反、道徳的な堕落、システムの不在が明らかになった。救助過程での問題点、また、安全問題を監督すべき機関の問題も明らかになった。
この事件はすでに裁判が進行中である。一体どういう真相究明が必要なのか、理解しがたい。
従北勢力と野党と彼らに扇動された一部の世論は、まだ真相が隠されているという。したがって、民間が主導する特別委員会に捜査権と起訴権を与え、大統領でも誰でも聖域なしに調査すべきだと主張している。特別法により被害者に国が特別な待遇をしなければならないとも主張する。
民間人が政府を捜査し起訴するのは、つまり憲法が規定した国家体制を認めないということだ。セウォル号特別法は、金大中・盧武鉉政権の時に立法・司法・行政の三権の上に君臨していた「革命的」委員会、過去事委員会を連想させる。
市民が国家機関を調査・起訴するのは、革命的な状況でこそ可能なことだ。金玄議員が関わったセウォル号家族対策委による暴行事件を通じて、この状況を扇動する人々の背後に故・盧武鉉元大統領の残党がいることが明らかになった。
金玄議員は盧武鉉の側近だった。つまり、直接民主主義を目指す勢力が、朴槿惠政権転覆のための大衆煽動に出たのだ。
もっとも、李明博政権と朴槿惠政権も、社会統合委員会や国民大統合委員会を作った。法治の確立より政治的な措置を重んじたことが今日の事態を招いたといえる。法治より政治的に国民統合を図るという発想は、司法の混乱を招いた要因だ。
にもかかわらず国会がセウォル号特別法を作れば、これは国会による法治の否定になる。それはやがて、国会自身が否定されることにつながる。
急速に傾いている「大韓民国号」の復元を困難にする大きな障害になっているのが司法府だ。転覆しつつある国を有権者が正常に戻そうとするとき、司法府がこれを妨害している。
社会的不満や葛藤を収拾するのが司法の役割なのに、今は司法自体が分裂し混乱に陥っている。司法府の状況を理解するには、ここ2週間内に実際に発生した事件を見るだけで十分だ。
水原地裁城南支院の金東禛判事は、元世勳元国情院長の選挙法違反事件の1審裁判で大統領選挙への介入部分に無罪が宣告されたことに対して、当該の裁判長を激しく非難・罵倒する文章を公開した。裁判官らしい落ち着いた法理的指摘や意見ではなく、自分の政治信条に基づいて、ほかの裁判官を非難している。これは、裁判の独立性を自ら否定し、特定の政治陣営への加担を宣言したも同然だ。
そういう裁判官が裁判をすれば、法よりも裁判官の政治信条が優先される。そして、この懸念は1週間後に現実化した。
ソウル高裁行政7部の閔中基裁判長は9月19日、全教組が提起した「法外労組効力停止仮処分申請」を認めると同時に、現職教員のみを組合員に加入するように定めた教員労組法が違憲であるとし、憲法裁判所に違憲法律審判を提請した。閔判事の判決は、最高裁の判例などを完全に無視した独断的な判決だ。
全教組は、スパイやパルチザンまでを愛国者だと教えてきた。しかも全教組は今、来年度の教科書採択を控え、政治的な理由で教学社教科書の採択阻止を宣言している。
全教組の暴走に大多数の父兄が歯ぎしりをしてきた状況で、法外労組にされた「全教組」を1人の左翼判事が救った。良心的で正常な裁判官が多数でも、司法府に自浄能力がない今、司法府は憲法守護機関としての機能をはたせない。そして、このような司法によって康宗憲らスパイや国家反逆者が再審で無罪となっている。
悪と妥協を模索する限り、悪はなくなるどころか増長する。従北を妥協と統合の対象と見る限り、大韓民国に正義と平和は来ない。(続く)


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