【寄稿】林三鎬氏寄稿文への見解

事実を歪曲せず「最終合意書」の履行を
日付: 2014年08月27日 06時06分

 8月1日付け貴紙に、林三鎬氏(民団中央本部副団長)が「金清吉氏寄稿文への反論」を寄稿しました。同氏はその中で事実関係を歪曲しながら我田引水の主張を展開し、当法人韓商を非難していますので、その真相について寄稿させていただきます。
林氏は民団が「最終合意書」を履行しない理由に、「(法人韓商の)謝罪文の提出が未だ実行されていない」と述べています。
しかし、韓国大使館、民団、法人韓商の3者が調印した「基本合意書」と「最終合意書」には、どこにも謝罪文に関する取り決めや合意はありません。
すでに「最終合意書」調印後6カ月が過ぎても合意を履行しない民団に対する非難は、本国側を含めて各方面で高まっています。民団執行部は自分達の責任逃れのために、法人韓商にその責任を転嫁してはなりません。
民団は「最終合意書」3項で「2月19日の中央委員会を経て、法人韓商に対する処分等を直ちに解除する」と約束しましたが、中央委員会では処分解除の決定は行いませんでした。
しかし、当法人韓商は、民団関係者等に対する刑事告訴事件を取り下げ、民事訴訟に関しても取り下げ書類一切を大使館に預ける等、合意事項を全て履行しました。
今回、大使館の仲裁とご尽力によって結ばれた「合意書」は、民団と当法人韓商が大使館(韓国政府)と約束したことを意味するとても重い文書です。
民団は綱領に「大韓民国の国是実現を期する」と掲げていますので、在日社会のためにご尽力頂いた韓国政府との重大な約束を破ることは信じられないことです。民団トップの呉公太団長が合意書に署名した以上、内部に反対論があるとしても民団はその責任において解決し履行しなければなりません。
また、林氏は、「基本合意書」2項の「除名・停権処分は適切な手続きを経て解除し」について、適切な手続きとは謝罪を意味すると主張しています。
しかし、民団内部における適切な手続きについては、民団内部で解決すべき問題であり、当方が拘束される問題ではありません。
さらに、林氏は、「民団に謝罪文を直接提出することに社団側は難色を示したので大使館側でもかまわないと妥協した。現に社団側が一旦は大使館宛に文章を提出している事実がそのことを裏付けているが、それは謝罪文とは認め難い代物であった」と述べています。
確かに当法人韓商は今年2月に駐日大使宛に「大韓民国民団と(一社)在日韓国商工会議所間の対立解消関連」という文章を発信しました。
そもそも、この文書は、駐日大使宛に発信したものであって、同文書に対して民団からとやかく言われるものではありません。
その内容は大使館のご尽力に対する感謝とともに、事態に対する遺憾の意を表明し、併せて当法人韓商が在日社会の発展のため、今後一層の努力を重ねる覚悟を表わしたもので謝罪文ではありません。
何よりも当法人韓商には民団に謝罪する理由はありません。民団が行った直轄措置や事務所占拠、業務妨害などの不当且つ理不尽な行為により法人韓商は大きな損害を被り、役員の名誉も著しく傷つけられました。
一連の民団の行為が不当・違法であることは「事務所明け渡し」「名称使用禁止」等の裁判判決ではっきりしました。
私たちは、被害者として民団からの謝罪を受けたいと考えていますが、今般の「最終合意書」は双方の謝罪等の要求を超越し、同胞社会の発展のために、対立の解消と韓商組織の統合を取り決めたものです。 
民団が「最終合意書」を恣意的に曲解して理不尽な主張を繰り広げることは断じてあってはならないことです。
当法人韓商は事態の解決に向けて真実とコンプライアンスを守り、最終合意書の完全な履行と事態の早期かつ平和的な解決を望むものです。
(一般社団法人在日韓国商工会議所会長 朴忠弘)


閉じる