北韓 多様化する「感性独裁」 

牡丹峰楽団の公開は韓国文化への「免疫」
日付: 2014年08月15日 00時00分

牡丹峰楽団
 北韓で体制礼賛の詩などを作ってきた張真晟氏(04年脱北)は、北韓の芸術を「感性独裁」と表現する。歌やスローガンには「首領様」が多数登場し、国民感情を政権が主導して歪め、洗脳させるということだ。「住民の思考の自由さえ政治的管理下に置かれる独裁」と張氏は説明している。
金正恩体制になった後の北韓では、目に見えて「感性独裁」の多様化が進んでいる。張氏がいう従来の概念だけではなく、外部の情報に対する”免疫”を持たせるということだ。
その一例として挙げられるのが、北韓の”ファースト・レディ”、李雪石だ。李雪石は、それまで秘密にされていた統治者の妻とは異なり、北韓ではたびたび公の場に出ていることが報じられる。元歌手であり、ミニスカートを穿いて夫とともに現地指導などに随行する。このファッションをまねたのだろうか、北韓、特に平壌ではミニスカートを穿いて歩く女性の姿が見られるようになった。
テレビでは華麗に着飾った女性たちがポップな音楽を演奏しながら踊る姿も一般的になった。80年代に金正日が結成した普天堡電子楽団が有名だが、金正恩が12年7月に結成させた牡丹峰楽団が最近のトレンドだ。ミニスカートにハイヒールというスタイルなどから、韓国では「北韓の少女時代」とも呼ばれている。
それもそのはず、こうした変化は韓国文化に対する”免疫”をつけるためのものだと専門家は指摘する。韓国ドラマやミュージックビデオが中国経由で入ってきており、韓国文化にあこがれを持つ人が増えたため、「北韓でも似たものは提供できる」ということを強調したいのだという。スキー場や遊園地の建設を進めているのも、そういう背景があるといわれる。


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