大韓民国への反逆 その連鎖を絶て(23)

都相太と康宗憲、そして韓国の従北派
日付: 2014年07月24日 00時02分

 康宗憲や都相太らが韓国内の従北勢力とどのように接点を作ったのかは明確でない。ただ、つながりを持ってからの都相太は、NPO法人・三千里鉄道を前面に出して、従北勢力との接触を維持、管理していると見られる。
康宗憲は自叙伝の中で、縁があってこの団体(三千里鉄道)の行事に通訳などで協力していると簡単に触れている。康宗憲はさりげなく簡単に触れるだけだが、その対象とは、実は深い関係があるように思われる。
沈載桓弁護士
康宗憲は自叙伝の中で、都相太理事長一行との韓国旅行紀行文を書いている。三千里鉄道は、金大中・金正日が「6・15共同宣言」にサインした直後の2000年9月に設立された。そして、金大中の「太陽政策」を支持し、南北の鉄道連結のためのレールの代金(各680万円)を募金し、2002年に南北双方に伝達したという。09年11月の韓国旅行は、その「貢献」への答礼だったわけだ。
左翼政権のとき、統一部長官を務めた林東源、鄭世鉉、李在禎の共同招待で、都相太らは南北鉄道の連結状況を視察した。2泊3日の短い旅行だったが、統一部長官だった3人が彼らを丁重にもてなしたのだ。
3人とも今も従北的姿勢を貫いている。特に李在禎は、今年6月4日の統一地方選挙で、左翼陣営の代表として擁立され、韓国全体の学生の4分の1が学ぶ京畿道の教育監(教育長)に選出された。
一行は、元統一部次官・李鳳朝の案内で、汶山駅から都羅山までの9・6キロ区間を特別列車で走り、板門店を見てソウルに戻った。
ソウルに戻ってから「現代峨山」本社を訪問した康宗憲は、「李明博政権の登場とともに南北関係は悪化し、経済協力の最前線を守る『現代峨山』も”苦難の行軍”を続けている」と述べ、南北関係の冷え込みを李明博政権のせいにした。なお、南北関係を破綻させた北の挑発とその責任には全く触れていない。
林東源などの従北勢力にとって、都相太や康宗憲のような海外の同志は貴重な存在だ。都相太は2001年から毎年6・15南北共同宣言記念式や討論会を開催し、韓国から多くの親北・従北人士を日本に招待している。
都相太理事長は2008年、「在日コリア協議会」結成を主導した。この在日コリア協議会と三千里鉄道は09年12月、「海外コリアン・シンポジウム世界大会」を開催し、内外の多くの親北勢力に発信機会を提供してきた。
康宗憲と都相太の韓国人脈の中でも重要人物の一人が、康宗憲の再審弁護士・沈載桓だ。沈載桓は、統合進歩党の李正姫代表の夫で、北韓工作員やスパイたちの弁護士として知られる。大韓航空機爆破テロ犯の金賢姫が偽物であると発言して有名になった、代表的な従北弁護士だ。
専門家らは、沈載桓グループが在日スパイ事件の”再審ビジネス”をやっていると指摘する。2011年3月11日、「在日韓国人捏造スパイ事件弁護人団」(李錫兌・参与連帯共同代表など)として大阪を訪問した5人の弁護士の中に沈載桓が含まれていた。沈載桓グループは、康宗憲ら元在日スパイ事件連累者に再審申請を勧める説明会を開いた。この説明会に参加した関連者はほとんどが再審を申請し、無罪になったと知られている。
説明会を企画・後援したのは韓国の「天主教人権委員会」だ。だが、済州道海軍基地建設反対、駐韓米軍基地移転問題、米国産牛肉の狂牛病乱動などに必ず現れるこの団体は、天主教(ローマカトリック)とは全く関係のない左翼運動団体だ。
(続く)


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