新形態の核実験に砲撃訓練

緊張感高める北の挑発
日付: 2014年04月02日 00時00分

 北韓外務省は3月30日、「核抑止力をさらに強化するための新たな形態の核実験も排除できない」との声明を発表した。26日のノドン発射を受け、27日に国連安保理が発射を「安保理決議違反」と非難する報道機関向け談話を出したことに対する措置。北韓は談話に対して「絶対に容認しがたい」と述べている。
 南北離散家族再会などにからむ韓国との融和ムード演出、日本との外務省局長級協議の実施など、最近の”ソフト”な路線とは明らかに異なるトーンだ。北韓は06年に初の核実験を実施。09年と13年にも実験を行い、その前後にミサイル発射も敢行している。4回目の実験を行うとすれば、国際社会が制裁を強めるのは必至だ。
 「新形態」とは、従来のプルトニウム型以外の方式を示唆している。可能性としては13年の実験で使われたとされるブースト型核分裂弾(強化型)、小型化を可能にする高濃縮ウラン型、同時多発型などが挙げられる。
 北韓は31日正午すぎ、西海(黄海)上で砲撃訓練を実施。韓米両軍が韓国で行っている合同軍事演習「フォールイーグル」に対抗する狙いとみられる。
 韓国国防部によると計500発以上の沿岸砲とロケット砲が発射され、そのうち約100発がNLL(海上の北方限界線)の韓国側海域に着弾した。国防部は、K9自走砲で約300発の対応射撃を行い、NLLの北側の海上に着弾させた。
 砲撃訓練開始直後には、2010年に砲撃を受けた延坪島や白〓島など西海5島の住民に緊急避難勧告が発令され、緊張が高まった。北韓の砲撃訓練は3時半ごろに終わり、避難勧告も午後4時半に解除された。
 日本では菅義偉官房長官が記者会見で、「引き続き関係国と連絡を取り、情報収集、分析に全力を挙げ、緊張感を持って対応する」との反応を示した。2


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