李石基に対する刑の宣告は17日に言い渡される予定だ。しかし、李石基が企てた内乱陰謀は、統進党などの従北勢力による宣伝攻勢やメディアの無関心などで、その危険性が広く知られていない。
李石基は、北韓が停戦協定の破棄を宣言(2013年3月5日)するやいなや、「戦争対備指針」を通じて、有事の際には北に呼応して内乱を起こせるよう、万全の準備を整えることをメンバーに指示した。秘密学習では、具体的な方策が論議された。油類貯蔵庫、鉄道・通信施設など打撃目標を提示し、爆発物の製造方法まで討議した。宣伝戦、思想戦、心理戦、サイバー戦、指揮部の保衛、後方攪乱、武装破壊など、それぞれの目的ごとに実行チームを構成した。
李石基は、骨の髄まで金日成主義者だ。押収した彼の所持物からは、金日成や金正日の著作物など、北韓の「原典」が大量に見つかった。
彼は民主革命党事件で服役中の03年8月、赦免で釈放されるやすぐにROを組織、再建した。組織員は金日成と金正日への忠誠度を基準に選んだ。
ROの綱領は、金日成の主体思想を指導理念とした「南韓社会の変革」だ。李石基は「領導体系」を立てなければ勝利できないと強調し、幹部の「革命化」のために主体思想を継続的に学習させた。
李石基のROは、大韓民国を敵と規定し、大韓民国の裁判所が「利敵表現物」として判示した北韓の歌をはじめ、北韓式用語と言語習慣を日常化した。ROは、日常的に北韓の革命歌を提唱していた。
李石基は、自由民主制度の象徴である国会を階級闘争の最前線だと強調。自らが籍を置いた統進党とともに、大韓民国を破壊するため、国会議員の身分を利用して情報収集を行った。
李石基が「革命の橋頭堡」にしたのは国会だけではない。今年6月の地方選挙で、ROが自治体の団体長11人を当選させることを目標としていたことも明らかになった。
李石基とRO、そして統進党など従北勢力は、内乱陰謀が摘発されると、法廷闘争を通じて司法体系を攻撃し、国民を欺いてきた。彼らは日頃から組織活動の秘密保持のために、通信と資料を随時変更し破棄するなど、「保衛守則」を生活化している。
特に逮捕されたときに備え、黙秘権行使や否認戦術などを学習、訓練してきた。証拠第一原則と公判中心の裁判を逆手にとった闘争を通じて、捜査当局の実体究明を徹底して妨害・抵抗するように強調してきた。
だが、もっと問題なのは、今回摘発されたROよりも摘発されていないROの方が多いということだ。
韓国にはROの他にも、今まで反国家・利敵団体と判決された団体が90個あまりあり、今も10個以上の団体が活動中だ。つまり、氷山のように海面上に見えているものよりも水面下に潜んでいる部分の方が大きいというわけだ。これは専門家たちの一致した見解だ。
こういう利敵団体を解散させられないのは、正常な国ではありえないことだ。この奇怪な現象も、北韓の対南工作、従北勢力が長期にわたって執拗かつ巧妙に国家保安法撤廃闘争を展開してきた結果と言える。
韓国社会の日常の裏で実際に何が起きているのかを冷静に把握・分析し、早急に徹底した対策を講じねばならない。
平壌は核兵器を背景に赤化統一を追求している。その目的を果たすため、従北勢力と平壌は、準戦時状態である大韓民国を、平壌に対応できないように縛りつけた。
北韓はいつでも政治的に、裁判もなく個人を拘禁・処刑する。張成澤処刑で改めて認識させられたように、連座制で家族や関連した者まで処罰・処刑する。その残酷さは、幼児まで手にかけているということからもうかがい知ることができる。
この暴政に対抗する大韓民国の公安や司法機構を無力化させるため、従北勢力が総決起している。そして多数のメディアが意識的、あるいは無意識的に彼らに同調している。
北韓と従北派は、ROを摘発した国家情報院を攻撃している。国家情報院が大統領選挙に介入したという扇動だ。
民主党が主導したこの政治攻勢により、検察は国家情報院と、国情院の選挙介入を幇助した疑いでソウル警察庁長を起訴した。国会は確認されていない疑惑だけで、国家情報院を法的に萎縮させたのだ。
ソウル中央地裁は6日の1審裁判で、職権を乱用して捜査を妨害したと起訴された金用判前ソウル警察庁長に無罪を宣告した。しかし、打撃を受けるべき従北勢力は内心微笑んでいる。すでに国家情報院を1年以上もかけて攻撃し、満身創痍にすることができたからだ。
2002年の大統領選挙で敗北した李会昌氏のケースを振り返ると、敗北の決定的原因は相手側の虚偽謀略だった。これは裁判所の判決で確認されている。だが、結果を変えることはできなかった。(続く)