軽すぎた李石基への懲役20年求刑

日付: 2014年02月05日 00時00分

 内乱陰謀罪などに問われていた統合進歩党の李石基議員に懲役20年・資格停止(公民権停止)10年が求刑された。この事件は、憲法機関である国会議員が、国会を革命の橋頭堡として大韓民国に抗敵した内乱陰謀だ。大多数の国民は李石基と、彼が中心となって組織したRO(革命組織=Revolutionary Organization)の国家に対する反逆が、この求刑によってある程度立証されたと見る。
 しかし、李石基に対する求刑は軽すぎる。休戦状態の大韓民国で、交戦相手の北韓側に積極的に呼応し、大韓民国の転覆を図った李石基には、与敵罪(刑法93条)が適用されるべきだった。司法当局は、前職国情院長や警察庁長などを断罪する以上に、従北反逆勢力を断罪すべきである。従北勢力の跋扈は、韓国の法治が萎縮しているために起きたものだ。
 1審裁判を通じて明らかになった李石基とROの反逆行為は、法の寛容の範囲を遥かに超えたものだった。彼らは主体思想で理念武装し、大韓民国を敵と規定した。北韓が6・25南侵戦争(朝鮮戦争)時、大韓民国を攻撃する戦場で歌われた「赤旗歌」を歌い、北韓式用語で学習し、革命家に徹底した。ちなみに李石基が所属する統合進歩党は、党の公式行事で愛国歌(韓国国歌)を歌わない。
 李石基のROはあらゆる活動記録を暗号化し、捜査当局の押収捜索と逮捕に激しく抵抗した。ROやその”殻”にすぎない統進党は、法廷闘争を通じて大韓民国の司法制度を嘲弄、妨害した。
 李石基とROの目標と活動は、戦時において敵地で破壊およびサボタージュ工作を実行する特殊部隊の任務、つまり旧ソ連の情報機関が自由世界に対して目論んだ破壊工作そのものだ。
統進党と李石基の「反逆性」
 李石基は、1999年に国家情報院が摘発した民革党事件で、平壌との繋がりが立証されている。民主革命党は、朝鮮労働党の指揮下にあった地下政党で、南朝鮮労働党と並ぶ従北組織だ。別の言い方をすれば、ROは平壌の偵察総局に呼応する韓国内の別働隊だ。
 統進党は、多くの党員が法の裁きを受けている状況で、反省するどころかROを正当化し、庇護することに総力を動員した。反逆を庇護する行為も反逆だ。つまり、統進党全体が国家と憲法に対する反逆勢力である。
 統進党への政党解散請求があまりにも遅すぎたことを指摘する声は以前からあったが、こういう抵抗こそ、彼らがその「反逆性」を自ら証明したことになる。
憂うべき国会のサボタージュ
 統進党の反逆を増長させたのは、ほかの政党と国会だ。国会は、李石基の逮捕動議案を通させておきながら、李石基の議員職除名に関しては5カ月も措置を取っていない。もちろん、この政治的サボタージュの中心は統進党と運命共同体である民主党内のいわゆる「386主思派」、「親盧グループ」だ。
 相手政党の単純な失言や個人的スキャンダルに対しても議員職辞退や政界引退を強く要求してきた民主党が、李石基とROの内乱陰謀については、裁判中という理由で国会次元の懲戒を拒否している。これは、同じく裁判中である「国家情報院の選挙介入」という一方的な政治攻勢を既成事実化し、それを根拠に国家情報院を無力化させ、さらには大統領の辞任までを要求する野党の攻勢と矛盾する。彼らの主張が全く説得力のない政治的扇動であることを証明するものだ。
 われわれは今の政界と国会を憂慮し慨嘆せざるをえない。北韓の核ミサイルの実戦配備によって、休戦後、大韓民国の安保が致命的な危険に陥った今、安保の中枢である国家情報院の機能を決定的に弱体化させる利敵行為で与野党が合意したからだ。国政の混乱の中心が国会であり既成政党だ。朴大統領は国家情報院法改正案を国会に戻すべきだ。


閉じる