朴槿惠政権の1年目 ~内政編(中)~

386世代の台頭 宗教界が先頭に
日付: 2014年01月01日 00時00分

 現在の韓国で、政府批判の急先鋒として浮上しているのが「天主教正義具現司祭団」をはじめとする宗教界の一部だ。天主教とはカトリック教のことだ。
 天主教正義具現司祭団は11月22日、全州市で時局ミサを開き、「不法選挙の糾弾、朴槿惠大統領の辞任」を求めた。その5日後の27日にはプロテスタント教会の『国家情報院の選挙介入共同対策委』が同様の立場を表明。翌28日には韓国仏教界で最大宗派の大韓仏教曹渓宗の僧侶1012人が、国家情報院の大統領選挙介入を非難し、朴政権に謝罪を求めている。カトリックとプロテスタント、それに曹渓宗の信徒を合計すると、韓国の人口の約半数近くに達するとの試算もある。
 宗教界の政権批判の口火を切った形になった正義具現司祭団はカトリックの任意団体で、同派の公式見解とはいいがたい。しかし12月6日、カトリック司教会議の「正義平和委員会」が正義具現司祭団の立場を支持する談話を発表。韓国カトリック教会を実質的に指導する同会議の公式見解といえる。
 一方、同じ宗教界でも、正義具現司祭団の主張を、「『正義』の名を借りた反国家的扇動」と非難する勢力も存在する。「大韓民国守護天主教徒の会」だ。同会は一部の司教が指導する形で活動しているが、専門家によると、宗教界は現在元386世代の従北左派系人物が台頭し、主流になっているという。彼らは北韓の対南工作機関である偵察総局と統一戦線部のメッセージを司祭の言葉として信徒に伝え、「司祭の言うことなら」と朴政権の糾弾に加わる人々を増やしている。


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