延坪島砲撃から3年 進まぬ新戦力導入

安保意識は低下
日付: 2013年11月27日 00時00分

 北韓による延坪島砲撃から23日で丸3年を迎えた。北韓人民軍は2010年11月23日、韓国軍による実弾射撃訓練を口実に、南北境界水域の延坪島に向け砲弾約170発を発射。韓国側の兵士2人と民間人2人が死亡、兵士16人や多数の島民が負傷した。砲撃は停戦後、初めて北韓が韓国領土に加えた直接攻撃で、韓国国民や国際社会に大きな衝撃を与えた。
 鄭烘原総理は23日の追悼式典で、「今われわれにとり何よりも重要なのは強力な安保体制だ」と述べ、北韓の挑発を抑止するための軍事力強化の重要性を訴えた。軍事的緊張が続く中、国民の生命と財産を保護し、国益を守るために軍事力の増強を強調したと受け止められる。
 韓国軍は延坪島砲撃を受け、西海島嶼防衛司令部を新設し、自走砲とミサイル攻撃ヘリ、新型レーダーなど戦力を大幅に増やした。しかし、政府予算の中で国防予算の比率は周辺国に比べ、依然非常に低い。ここ5年間の国防費の増加率は5%台にとどまっている。そのうち、7割以上が人件費などに充てられ、新たな戦力導入に使われた予算は2%にすぎない。
 日本の国防費(2012年基準)は韓国の2倍にあたる594億ドルに達する。北韓の核兵器の脅威に備え、ミサイル防衛(MD)システムを構築しているほか、海上配備型の迎撃ミサイル(SM3)を搭載するイージス艦や潜水艦などを追加で導入する計画だ。
 中国は1990年代以降、年平均10%以上増額し、新型ミサイルや潜水艦などを次々と導入している。中国の国防予算は、推定でGDPの6%前後で、軍事力増強に必死になっている。
 韓国は盧武鉉政権時代、韓国の国防力が北韓を上回っていると判断し、韓米連合司令官から韓国軍への有事作戦統制権移管を求めた。そのため今後、軍事力で大きな空白が懸念される。移管は李明博政権で2012年から2015年に延期されたが、朴槿惠政権も水面下で再延期交渉を進めているとされる。
 何より懸念されるのは安保に対する国民の意識だ。砲撃事件は10年間続いた太陽政策と和解協力の限界を感じさせ、韓国が置かれている安保状況を現実的に認識させる契機になったと評価された。砲撃直後に行われた世論調査をみると、安保に不安を感じる国民は81・5%に達した。
 しかし、3年がすぎた今、韓国国民に当時の安保意識は全くみられない。昨年11月の調査で安保に不安を感じる国民が37・0%に急減したのに続き、今年6月に安全行政部が行った「2013年度国民の安保意識世論調査」では、国民の半数以上が危機感を感じていないと回答した。さらに、7月にソウル大の統一平和研究院が行った調査によると、北韓が核を放棄しないと考える国民は84・6%だった一方、北韓を警戒対象と考える国民は37・8%。むしろ協力対象という回答が56・8%に達した。 
 北韓は6・25朝鮮戦争停戦以来、200件を超える局地挑発を敢行してきた。22日には「無謀な挑発が再発すれば、延坪島の火の海が青瓦台の火の海に、統一大戦の火の海につながる」と威嚇している。 


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