北韓が韓国などに強圧的な姿勢をとっていた3月、朝鮮総連中央委員会の拡大会議(25日・東京)で、許宗萬議長から「万一の場合、全面戦争に突入する」との発言があったという。許議長が金正恩の命令を引用する形で伝えた。
3月の拡大会議には全国から数百人規模の出席があり、北韓の偵察総局の指示に従って規約の改定などが行われた。その結果、総連最高の決議機関である全体大会が3年に1回から4年に1回に改められた。
第23回目の全体大会は今年5月に開かれる予定だったが、拡大会議の決定により、来年に持ち越された。総連中央会館の競売問題などで許議長が糾弾される可能性があるため、開催間隔の延長を決めたとの見方が濃厚だ。なお、会館の入札は10日まで行われ、17日に開札となる。
拡大会議では組織改編も行われ、従前の7局2委員会1事務所から8局1事務所になった。なくなった2委員会のうち、民族圏委員会は廃止、権利福祉委員会は局に格上げされた。また、総務局が組織局に、宣伝広報局が宣伝文化局となり、民族圏委員会の業務は宣伝文化局が行うことになった。
3月は韓国でも北韓の指令を受けた地下組織が、国内の石油施設などを狙った攻撃を企てたことが検察の調べで判明している。総連側も組織改編とともに、偵察総局に近いという人物を抜擢する人事を行っている。