建国以来、共産独裁体制との闘争で数多くの危機を乗り越えてきた大韓民国が、またも決定的な危機に直面している。自らが憲法機関である国会議員が、そして院内議席を持つ政党が、平壌の赤化統一戦略に内通して、大韓民国を内部から攻撃することで自由民主主義体制を転覆させようとした。その内乱陰謀が摘発されたのだ。
これまで明らかにされたことだけでも、李石基グループが主導する統合進歩党は、政党ではなく、テロ集団と呼ぶべきだ。国会は、李石基議員に対する逮捕同意案を直ちに処理すべきだ。そして、まず国家を危機から救った国家情報院など公安関係者たちの苦労をねぎらってもらいたい。
李石基グループは、核武装した平壌の対南赤化戦略を支援する暴力的テロを広範にわたり謀議した。平壌が金正恩の3代世襲を強固にするためつくった「偵察総局」の対南工作がどれほど深く韓国社会に浸透したのかがわかる。
問題は、今回の事件が突出した少数の人によって突如として表に出たのではないということだ。愛国団体が、これまでに統合進歩党(統進党)とその前身である民労党を4回も政府に解散を請願したからだ。愛国団体が統進党(民労党)が違憲政党であることを指摘して政府に解散を請願したが、朴槿惠政権まで3つの政権がこれを無視して放置した。メディアをはじめ韓国社会は、この重大な警告を無視し沈黙してきた。
自由民主主義体制を破壊する勢力が国会に橋頭堡を作り、国家予算で体制転覆活動をするように助けてきた勢力は、実は既成政党とマスコミといえる。
統進党の比例代表候補決定過程での不正が明らかになり、国民的な怒りの声が上がっても、与野党は李石基と金在妍議員の資格審査を1年以上進めていない。特に、民主党の責任は大きく重大だ。
民主党はこれまで従北勢力に対する最大の庇護者であり、昨年3月には総選挙の前に、共同政府構成を目標として統進党と政策連合を結んだ。この政策連合は今も続いている。
民主党は、統進党にと一緒に、昨年12月の大統領選挙へ国家情報院が介入したという根拠のない主張をしながら国会を飛び出して、国家情報院の無力化を試みる街頭闘争に入っている。国の公権力の無力化を主導する政治家は、当然のことながらほとんどが公安事犯で有罪判決を受けた人々だ。
統一革命党、人革党、朝鮮労働党中部地域党、民革党など、「朝鮮労働党」の指令を受けた地下党のスパイ事件は、1960年代以来、定期的に摘発されてきた。しかしこのスパイ事件の連累者たちが今国会議員になっているのだ。当時の諸限界のためスパイ事件の全貌解明は失敗し、あるいは政治的妥協で「トカゲの尻尾切り」で事件を処理したためだった。
大多数の国民が、このような事実を知らないか、大したことではないように考えている。これはメディアの責任が大きい。
特に、金大中と盧武鉉の両大統領は、国家保安法違反など公安事犯3538人を赦免し、彼らが政界はもちろん、社会の各分野で勢力を広げるように下地を整えた。つまり左翼政権は、北韓の核武装を支援しただけでなく、赦免権を乱用して韓国内に巨大な従北勢力を育てたのだ。民主党は、今でもこの金大中・盧武鉉の“反逆路線"の継承を誓っている。
朴大統領は、従北勢力は国民大統合の対象ではないことを直ちに宣言すべきだ。そして、憲法に規定されているとおり、統進党の政党解散の手続きを取り、全国家機関を動員して内乱陰謀を鎮圧すべきだ。
今回こそ反逆の根を断ち切るチャンスだ。韓国内の内戦を助長する主敵を倒すのか、内戦に進んでしまうのか。反逆勢力を処断できない国は滅びる。
朴大統領の安保と法治の回復、国家正常化のための努力にとって最大の障壁は、恐らく司法府だろう。法曹界の従北勢力が大韓民国の法体系を利用して大韓民国を攻撃しているからだ。法曹界の従北を制圧できるのは、国民の覚醒と決起だけだ。