北韓、拉致問題と総連会館交渉か

水面下で競売回避画策
日付: 2013年05月22日 00時00分

 飯島参与と北当局者との間で、拉致問題の進展と総連中央会館の競売回避を交換条件に交渉が行われたとの見方が強まっている。
 ある関係者によると、北側は会館の競売について「(会館を競売にかけている)整理回収機構と任意売却で協議中。交渉の材料にはならない」と飯島参与の提案を拒絶。「拉致問題を日朝2カ国で協議するか、6カ国協議の場で話し合うか、日本側に決断してほしい」とだけ伝えたという。
 しかし北にとって総連会館は日本における象徴的な建物であり、最大の活動拠点でもある。拉致問題の一定の進展と交換で、北が交渉に応じる可能性は否定できない。
 安倍首相は19日、拉致問題を日朝平壌宣言にのっとって、2国間の課題として進める意図を明らかにした。しかし今回飯島参与が会った金永南・最高人民会議常任委員長は、「序列ナンバー2」と言われているが、労働党内では序列20位にも入らない人物だという。北と総連の工作に日本が利用された形だ。


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