訪韓外国人が今年、初めて年間1000万人を突破する。「韓流」の影響で近隣諸国からの観光客が増えたことが最大の要因だ。日本人観光客は韓日関係の悪化によって減ったものの、その影響は量的にも時期的にも限定的なものになるだろう▼政府は2020年をメドに、訪韓外国人2000万人との目標を掲げている。かなり強気の設定にも思えるが、10年ほど前までは訪韓外国人が年間500万人台で推移していたことを考えれば不可能とは断じきれない。朝鮮日報は専門家の意見として、目標達成に向けて提言を行っている。韓国人観光客の増加、地方観光の活性化、モバイル技術革新による個人旅行の利便性向上などだ▼なぜ外国人客誘致のために韓国人観光客を、と思われるかもしれない。これは韓国人客の増加による地元観光業のレベルアップが外国人の満足につながるとの観点からだ。しかし韓国人の国内旅行客数は、約10年にわたり延べ3500万人で変わっていないという。観光産業がGDPに占める割合も、観光客の増加と比例しない。むしろ2000年の6・6%から昨年は5・2%へと減少している▼確かにソウルの中心地・明洞は、日本人と中国人で賑わっている。韓国人の買い物客はほとんどいない。店員に聞くと「ほとんど来ない」とのことだ▼外国人観光客が増え、いい思い出とともに韓国を後にしてくれるのは嬉しいことだが、国内の人にも活力がほしい。街の活気は韓国観光の魅力の一つだ。観光客が増えることで街に活気が生まれるよう、工夫が必要だ。