「韓母三千之教」=編集余話 瞻星台

日付: 2012年10月24日 00時41分

 孟子の母は、子供の教育のために住むところを3回変えたという有名な話がある。「孟母三遷之〓」だ。しかし韓国の母親は孟子の母より教育熱心だ。特に幼児英語教育は凄まじい▼現在、韓国全国に225カ所の英語幼稚園があり、9741人の園児が通っている。授業料が年間1500万ウォンを超えているところもある。ちょっとした大学より高い授業料だ。小学校に入る前の2年間で3000万ウォンになる。今や、韓国の母は、3000万ウォン払って英語教育させる時代だ。さしずめ「韓母三千之教」といえる。子どもたちに聞くと「“お母さんが言うには"私の夢は、ハーバード大学に入ること」だそうだ▼その母親は、授業料を工面するためアルバイトをするという。家庭教育はどうするのだろうか。一番重要な時期に母親と一緒にいる時間を割いてまで、英語ができるというスペックが重要なのだろうか。人格形成のほうが遥かに重要と思えるのは私だけだろうか▼大学の授業料よりも高い英語幼稚園に通わせる社会はやはり正常ではない。幼児英語塾が10カ所できると近くに小児精神科が1カ所できるともいわれている。おかしな社会だ。借金をしてまで塾に通わせるエデュ・プア(教育貧困)も現れ、その数は300万人を超えているという▼ソウル市に住む父兄の4割が、子どもの塾代に毎月91万ウォン以上かけるという。金持ちの多い学区の有名大学進学率が高い理由はここにあるのかもしれない。貧困層や地方学生は、ますます不利になる一方だ。過度な学歴偏重社会の是正が望まれる。(無諂)


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