韓国で秋夕(旧盆)連休が終わった。連休が始まる1カ月も前から、百貨店では秋夕用の贈答品が店頭に並ぶ。この贈答品には当然、人気・不人気がある▼40代までの若い層には、食べ物が人気だという。一般的には果物や菓子だが、ハムやツナ缶、のりといったお手ごろな贈答品が好まれるという。不景気で懐がさびしい若者にとっては、贈っても贈られても負担になる高級品はなかなか歓迎されないらしい▼最も歓迎されない品物が靴下やハンカチといった衣類。あるアンケートでは約40%が「嬉しくない」と答えている。石鹸やシャンプーなどの生活必需品も、意外と人気は薄いようだ。こちらは値段も手ごろで、単身者が多い40代以下の世代にとっては重宝しそうに思えるが、そうでもないらしい▼そのヒントは贈答品の用途を問う質問に隠されている。秋夕の贈答品について多くの人が「家族や親戚と分け合う」と答えている。靴下や洗剤は分けられないが、食べ物なら簡単にシェアできるということが、食べ物人気を支えているのだろうか▼サービス業の多様化により、さまざまなアイディア商品も生まれている。海外旅行券は定番の一つ。飲食店の利用券や公演の鑑賞券もある。変り種では帰省での利用を見越してからか、タイヤ券なるものもある▼しかし、秋夕の贈答品といえば、両親に渡す現金が一番多い。即物的で味気ないと思われるかもしれないが、現金はもちろん手渡しだ。受け取る方にとっては現金よりも、それを持って顔を見せに来てくれた子や孫が何よりも嬉しい贈り物だろう。