韓日間の緊張高まる今だからこそ=編集余話 瞻星台

日付: 2012年08月29日 00時00分

 韓日両国民の意思とはかけ離れたところで、にわかに両国の緊張が高まった。それは10日、李明博大統領の突然の独島(日本名・竹島)訪問から始まった。率直なところ、韓国国民でさえ「なぜ今、何のために」という疑問を抱く中での上陸だった▼数日後の天皇に対する適切とは思えない発言は、さらに日本国民まで刺激した。少なくとも韓国の国家元首として話や行動を起こす場合、重みと慎重さをもって対応してほしいものだ▼それにしても、これに対する日本の対応も適切とは思えない。例えば「親書」(=国家元首の手紙)だとしても、国際慣例に則って、事前に内容の公開禁止や実務者への複本提供などを徹底すべきだった▼振り返ってみれば、韓日両国は1965年の国交正常化以降、若干ぎくしゃくしたことがあっても、予想を超える多くの成果を残してきた。そればかりでなく、いまや韓国も日本も、経済や文化の面で互いの国の国民生活に深く浸透している。いやそれ以上に、相互が必要とする関係だ▼この事実を踏まえ、韓日両国の当局者はともかく、ほかの政治家やメディアは言動を慎むべきだ。同時に民間レベルの交流や話し合いは今までより活発にし、両国の緊張状態を和らげてほしい▼在日韓国人の多くは、老いも若きも「韓日の懸け橋」になることを望んでいる。こういうときこそ、在日韓国人社会を代表する民団は、その役割を先頭に立って担うべきだ。韓日の関係悪化は、双方にとって一利もない。祖国の危機をたびたび救ってきた民団の歴史的存在意義も問われている。


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