「経済民主化」に矯角殺牛の恐れ=編集余話 瞻星台

日付: 2012年07月27日 00時23分

 右にぐるぐる回っているといつしか左になるのか。また反対に左に回り続けると右になるのか。セヌリ党の朴槿恵議員が「大企業の政治権力を統制し、経済民主化」を行うと大統領立候補声明の最初の言葉として発した。一方、左派運動出身者である同党の金文洙候補は「企業活動の自由を積極的に保障し、投資の障害規制を取り除く」と訴えた。やはり万物は流転し変転する。朴正熙の娘である朴議員が左派の代弁人のように、左派運動出身者である金知事が右派の代表者みたいに見える。一体どうなっているのだろうか▼韓半島は政治の季節を迎えた。現代自動車が4年ぶりにストを実施した。金融機関の労組が12年ぶりにストを行うとも言っている。全産業がグローバル競争で生き残りをかけているのに、労使闘争にかまけている時期だろうか▼12年前の金融機関のストも、全世界で行ったのは韓国だけだった。経済が厳しい中、高賃金の銀行員がストを行うのはありえない。ウリ銀行以外の銀行は外国人が株式保有の5割を超え、彼らに高配当を続けている。いつ世界的な金融危機が韓国に波及するかわからないこの時期に…▼経済の民主化が叫ばれ、横領、背任を犯した財閥への罰則強化など「反財閥」の動きが大統領選のイシューになりつつある。あまり財閥叩きを行うと「矯角殺牛」(牛の角を削ろうとして牛を殺してしまうこと)になりかねない。韓国企業は銀行の株式を5%以上保有できない。財閥の銀行所有を規制するためなのだが、財閥の代わりに銀行を支配するのは外国人。これも滑稽な話だ。


閉じる