いよいよ第18代韓国大統領選挙がスタートした。4月に行われた総選挙(国会議員選挙)では史上初めて海外居住国民にも投票権が与えられ、在日韓国人も選挙に参加した。結果、1万8628人が登録を行い、9793人が投票した▼選挙人登録者数の52・6%が投票したのだが、総数は予想を大きく下回った。その原因がどこにあるのか、在日韓国人の代表的組織である民団もはっきりとした理由を見出せていない。そのような状態で大統領選に突入となった▼日本で外国人登録をしている在日韓国・朝鮮人の数は約55万人。そのうち総連系を除くと韓国系は50万人になるが、民団は4月の反省も踏まえ、そのうち10%にあたる5万人を投票に参加させたいとの目標を立てているようだ。そのためには少なくとも10万人の選挙人登録が望まれていると聞く▼これらの目標を達成するため、民団中央執行部はかつてないほど強力な布陣で地方組織への働きかけを行っているようだ。その一環が中央団長による各支部回りだ。民団の基礎組織は確かに支部だ。しかしこの十年ほどで団勢調査などの組織基盤を固める作業は、ほとんど行われていないようだ。06年の5・17事態も影響したといわれる▼せっかく与えられた権利行使をすべきなのだが、一般の在日韓国人にとって「なぜ選挙に行かなければならないのか」という決定的な動機がどれほどあるだろうか。民団の努力は評価したい。しかし、5万人もの人を選挙に参加させるのは、お願いするだけでは難しいことにも気づくべきだろう。