ユーロ“NO.1”決戦?=編集余話 瞻星台

日付: 2012年07月04日 00時00分

 ポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペイン。国家の財政が破綻の危機にある「PIIGS」の国々である。1日(現地時間)に終わったサッカーの欧州選手権では、決勝トーナメントにこの4カ国が駒を進めた。ちなみに「I」の1つ、アイルランドは、グループリーグでスペインとイタリアに粉砕され敗退している▼各国の経済関係を投影し、注目されるカードもあった。決勝トーナメント初戦で激突したドイツとギリシャだ。ギリシャはドイツを中心とするEU諸国の援助で危機を乗り切ろうとしているが、ドイツにはギリシャ支援に難色を示す国民が多い。ギリシャはギリシャで、ドイツに緊縮策を押し付けられ、生活が苦しくなったと不満を抱えている。結果は4―2でドイツの快勝。ゴールシーンよりもスタンドで小躍りするメルケル首相の姿が印象に残った▼そのドイツを準決勝で破ったイタリアは、決勝でスペインと対戦。サッカーの方ではドイツとスペインが優勝候補だったが、国家財政の危険度ではともに“欧州最強"クラスだ▼試合は4―0でスペインの圧勝。国家が危機に瀕した状況でサッカーの代表チームが活躍するのはよくあることだが、両国国民は大いに盛り上がったに違いない。次に両国が注目されるのはどのような場面になるだろうか。


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