趙甲済
大韓民国が国家的、憲法的決断を以って解体せねばならない従北構造は、自由民主主義と共存できない癌細胞だ。北韓政権が60余年間の執念深い対南工作を通じて生み出した反国家的、反憲法的組織であり対南赤化のための戦略的橋頭堡でもある。1970年代に種を蒔いて、80年代に大学で花を咲かせ、90年代政界に進入して、2000年代以後政権の中に入ってきた勢力だ。一時大韓民国の操縦室を占領し今も国の中心部に浸透している状態だ。大韓民国の心臓と脳髄に打ち込まれた五寸釘のようなものでこの従北構造の基本性格は反大韓民国、反自由民主主義だ。真実、廉恥、良心、正義、自由、教養、礼儀を破壊するウイルスであり共同体の敵だ。従北構造の権力化の歴史は1993年金泳三政権から始まる。
1.金泳三政権は左派の宿主の役割に忠実した。理念的教養の貧弱な金泳三は左派に利用されて従北勢力に活動舞台を提供する。盧泰愚政府が不法化した全教組を合法化させるための前段階として解職教師たちを復職させた。韓国現代史の正統性を否定する歴史観を採択して従北勢力に免罪符をあげる程度を超えて正当性を付与した。自分の支持勢力である保守層を分裂させて金大中執権の道を開いた。
2.金大中政権は‘6.15宣言’を通じて金正日政権と結託し、北の対南赤化戦略に協力した。金大中は国家保安法を事実上死文化させスパイと工作員たちを楽にさせた。公権力を乱用して金正日勢力、つまり従北勢力を支援し、大韓民国守護勢力を弾圧した。従北左派勢力の核心である全教組、民労総、民主労働党、参与連帯の活動を支援し、民補償委員会を設置して北韓政権のために服務した人々を民主化活動家にする一方、KBSとMBCを左傾化させて従北左派の活動を応援し大韓民国勢力を萎縮させるように操縦した。金大中は反共的な李仁済を排除し自分の従北路線を継承する盧武鉉の大統領当選を支援した。彼は対北送金と無条件支援で敵の核開発を助けた。北韓政権は南のわれわれが持っていない二つの戦略的かつ政治的武器、つまり北核と従北勢力を持つようになった。
3.盧武鉉政権は金大中が始めた従北左傾化を全面的に、全国家的に、汎社会的に深化させる一方、金正日の代理人のような役割もした。過去事委員会を設置、大韓航空機爆破事件まで再調査して北韓政権に免罪符をあげようと目論んだ。従北団体出身を青瓦台など権力の核心部に集中配置して愛国勢力を弾圧し、国家情報院のスパイ捜査を妨害した。北韓政権が核実験をしても金剛山観光を中断させなかった。従北左傾勢力に友好的な李容勳を大法院長に任命、法院の左傾化を支援した。一介行政機関である過去事委員会が大法院の確定判決を覆す判定をしても李容勳は抗議の一言も言わなかった。司法府が町役場に転落した。盧武鉉は民労党、民労総、全教組の不法活動を幇助した。彼らは法治破壊の邪魔になる警察庁長は斬った。金大中と盧武鉉は大統領の赦免権を濫用してスパイなど反国家事犯を釈放し復権させて政治をするように助けた。
4.金正日-金泳三-金大中-盧武鉉は、従北勢力を育てるのに協力した。金大中と盧武鉉はそのような反逆的行為をすることにおいて大統領の憲法上の職務に違反し国憲を踏みにじった。政権の後押しを受けながら全教組-民労総-民主労働党-放送-法院内の左傾判事-いわゆる市民団体-学界-宗教界に亘る従北左派連帯勢力が形成されて国を混乱に陥れた。彼らは嘘の扇動で韓国の現代史を否定し、大韓民国建設勢力を罵倒し、親北・反米路線を美化し、従北左派勢力の法治破壊行為に目を閉じた。メディア、法院、政治、教育界、宗教界の主導権が彼らの手中に入った。これで国家破壊勢力への阻止機能が麻痺し、国民の教養と国家精神は破綻した。だが、2007年、彼らの馬鹿騒ぎに呆れた国民が選挙を通じて従北10年を終息させた。
5.李明博は2007年の大統領選挙と2008年の総選挙を通じて国民が送った圧倒的支持を従北剔抉に使わなかった。理念的確信の弱い人々で国家の指導部を構成し、歴史的使命を拒否し、従北の顔色を窺いながら、憲法という刀を抜かず、従北への構造的対応をしなかった。国家が国民の税金を従北政党に提供して法治と安保を破壊するように助けた。従北左派的歴史観で書かれた韓国史教科書を作って教える。彼は‘中道実用’という卑怯な日和見主義で一貫し、弱点を曝け出して従北勢力の反撃を招いた。従北左派の煽動に屈服したセヌリ党も左傾化して従北と福祉ポピュリズムの競争を行った。従北勢力は、国軍が敵軍にやられた天安艦と延坪島事態の時露骨に敵の肩を持った。そのようにしても選挙で連勝するから総選挙(4月11日)の前に従北の本性を表して民統党-統進党の‘統・統連帯"を結成した。彼らが合意した政策の核心は、国軍を無力化させ、自由民主主義体制を変革させるため公務員集団を左傾化させるということだった。国家と憲法を見縊過ぎた露骨な挑発だった。彼らは国会の掌握を確信して従北の本色である低質-傲慢-反逆を公開的にやった。統進党は転向した証拠のないスパイを比例代表に公認した。体制危機感を感じた有権者たちが大詰めで反撃に成功して体制を守護した。最悪を避けるために次悪であるセヌリ党に国会の過半数議席を与えた。それからは“従北は駄目だ!”が時代精神になりつつある。
6.年末の大統領選挙へ行く途上で最大争点は従北問題になりそうだ。政府と与党はこれを争点化しようとしないが、怒った国民が正面勝負を強いている局面だ。総選挙(4月11日)を通じて確認された従北の正体を年末の大統領選挙を通じて決着をつけることが国家的責務でかつ歴史的使命になった。従北構造の解体は、北韓政権の自信を奪い平壌政権の崩壊への道を開く筈だ。これは自由統一を超えて一流国家建設に進む道だ。従北勢力は本当に悪い人々であることを主権者である国民が分かるようにすること、それが革命だ。ジョージ・オーウェルの言葉通り、偽りが横行する世の中では真実を語ることが革命だ。今その革命が進行中だ。6.25戦争が300万人の血を以って共産主義の悪魔性を教えたとすれば、今は血を流さない‘第2の6.25戦争’だ。毛沢東の言葉通り、戦争は血を流す政治で、政治は血を流さない戦争だ。従北との戦いで大韓民国勢力が最終的に勝利することは、韓半島を平和の地にして東北アジアの繁栄を保障することであり、世界史の発展と人類の幸福に寄与することだ。‘従北癌患者’である大韓民国は従北構造の解体という癌細胞の切除手術が避けられない。手術の適期を逃してもならない。