金永煥釈放対策委員会
中国遼寧省の国家安全庁が大韓民国国民である金永煥(49)氏と韓国人3人を何と50日も不当に拘禁している。遼寧省国家安全庁は彼らを拘禁した理由が何か、彼らが今いる地域やどういう場所に拘禁されているかすら発表していない。拘禁中の韓国人の安全を憂慮している家族と韓国政府の接見要請まで黙殺して、中国が国際法を尊重し外国人を差別しない法治国家だと信じてきた大韓民国国民は大きな当惑感と憤怒を覚えている。
われわれは金永煥氏と韓国人3人が‘国家安全危害罪’という罪名で取調べを受ける何の理由もないことを言っておく。今まで金永煥氏は各種著述活動と公開講演を通じて中国政府の改革開放路線と経済発展の成果に対して絶賛を惜しまないなど、韓・中の友好関係発展を積極的に主張した人だ。こういう人が中国の国益に反する行為をしたと思われる如何なる情況や理由も見つけられない。
誰もが知っている事実だが、金永煥氏は、1990年代から北韓住民の人権と民主主義の改善のために先頭に立ってきた代表的な北韓人権運動家だ。金永煥氏が積極的に北韓人権運動を展開したため北韓当局の特別な関心と注目を受けたと思われる。したがって、われわれは遼寧省国家安全庁が金永煥氏と韓国人3人を長期間強制拘禁している原因として北韓情報組織の介入を疑わざるをえない。そうでなかったら、遼寧省国家安全庁が金永煥氏のような外国人を二ヶ月近く拘禁する理由がない。
しかも、遼寧省国家安全庁は金永煥氏を接見しようとする瀋陽駐在韓国総領事館の正当な‘領事接見要請’を1ヵ月半も黙殺し、瀋陽総領事館が選任した弁護人が金永煥氏を接見することを意図的に妨害し回避している。そして残りの3人に対しては色々な言い訳をつけて家族面会はもちろん、領事接見も許容していない。したがって、われわれは今回の事件が遼寧省の国家安全庁が事件を徹底に隠蔽したまま北韓公安機関とある種の協議の下事件を作り出しているという強い疑惑を消すことができない。中国政府は遼寧省国家安全庁の不当な捜査に関する真相を正確に公開し、不当な逮捕と不法拘禁に対して公式謝罪せねばならない。
遼寧省の国家安全庁が拘禁中の外国人への領事接見権を拒否する措置は深刻な人権蹂躪行為だ。中国当局が‘領事接見’を要求する瀋陽総領事館に“韓国人3人が領事接見権を放棄した”と言うのは話にならない。遼寧省国家安全庁が提示した‘領事接見放棄覚書’は3月31日と4月1日付で、指紋が捺印されているが、これが自由な状況で韓国人たちが進んで作成したものと思われない。そうでなかったら、この覚書の真偽を確認するため拘禁中の3人と電話通話でも許容しろというわが領事館の要求を拒否する理由がない。われわれは、遼寧省国家安全庁が強圧的手段や虚偽操作で‘領事接見放棄覚書’を作った可能性と、韓国人3人に対する拷問や暴行、苛酷な行為があったという強い憂慮を持っている。これに対する中国政府の誠意のある答弁と明確な解明を要求する。
遼寧省国家安全庁の韓国人強制拘禁事件は、今まで中国政府が示してきた平和的な外交路線に重大に違反しており、韓・中友好関係を根本的に毀損する行為だ。われわれは、中国共産党常務委員会および国務院などが遼寧省国家安全庁の韓国人拘禁事件に対する真相究明に臨むことを強く要求する。不当拘禁中の韓国人を直ちに釈放し、遼寧省国家安全庁と北韓情報機関の関連があるのかの是非を明らかにすべきだ。中国の国家情報組織が北韓情報機関のために韓国の民間人を不当に拘禁することは有り得ないことで、あってはならないことだ。
われわれは、中国政府が国際社会の責任のある一員として外国人の人権保護のため慎重な判断と行動を示してくれることを強く要請する。
<われわれの主張>
中国政府は、不法逮捕、強制拘禁中の北韓人権運動家・金永煥と韓国人3人を直ちに釈放せよ!
中国政府は、国際法を遵守し強制拘禁中の韓国人への人道的措置を許容せよ。このために優先的に拘禁者たちへの大韓民国領事の接見と家族の面会を直ちに保障せよ!
中国政府は、遼寧省国家安全庁と北韓情報機関の結託の有無を徹底的に調査して任者を処罰せよ!
北韓人権活動家たちへの中国当局の不当な人身拘束と人権侵害に反対する。北韓人権運動家に対する弾圧を中断し彼らを直ちに釈放して大韓民国に帰せ!
われわれは国際社会と韓国政府に訴える。国際社会と韓国政府が緊密に協力して拘禁中の北韓人権運動家たちの早期の釈放と安全な韓国への帰国のために積極的に努力することを要求する!
2012年5月15日、北韓人権運動家金永煥釈放対策委員会
委員長 柳根一、柳世煕