“財閥共和国”のジレンマ=編集余話 瞻星台

日付: 2012年05月16日 00時00分

 韓半島の北は「人民軍共和国」に南は「財閥共和国」へと変貌した。それも同じ3代世襲だ。韓国では1億ウォンを超える上場株式を保有する満12歳以下の株主が100人を超えた。4大財閥の売り上げは韓国のGDPの半分を超えたという。あまりにもいびつだ▼もちろん財閥のおかげで韓国は成長した。遠からず購買力平価基準で1人当たりのGDPが日本よりも豊かになるかもしれないと英国エコノミスト誌が指摘するほど、財閥の自助で大きくなった要素は否定できない。グローバル競争時代を「選択と集中」で乗り切ったのも確かだ▼しかし財閥はかつての開発経済時代、政府や国民の共助を受けた。韓国が抱える問題のなかに「負の財閥」問題がある。それは経済格差であり世代格差であり地域格差だ。理念闘争という形でも社会の中に存在する▼これらの側面は経済規模が小さかった折は問題にならなかった。しかし経済規模が拡大するなかで葛藤がより深刻化した。それに加えて高卒の8割が大学に進学するという異常な高学歴社会と、低出産という厄介な問題を韓国は抱えてしまった▼これを解決するのが政治なのだが、政治にそのような統合力は期待できない。何よりも心配なのは、韓半島が「党派争い」で力をそがれた歴史を持っていることだ。韓国がアップグレードするには指導層の道徳律の確立と透明性が必要だ。既得権化した富の分散という「分かち合い」、米国のような「寄付文化」の定着が必要だろう。さもなければ国民は「勤勉さと正直さ」を喪失してしまう。一旦転げ落ちると早いのだ。


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