金成昱
統合進歩党の比例代表不正処理過程でスパイ事件で懲役13年を服役し最近まで反国家団体および利敵団体の幹部として活動してきた人物が比例代表当選者になる可能性が高い。
進歩党全国運営委員会は5月5日、共同代表4人および党内選挙を通じて決まった比例代表当選者や候補者14人を総辞職させるという勧告案を決議した。この勧告案が確定すれば進歩党比例代表当選者は「戦略公認」された鄭鎮珝、金霽南、朴元錫、徐基鎬、康宗憲氏など5人に決まる。この中で康宗憲氏は北韓政権を追従してきた反国家団体の「韓統連」と利敵団体の「汎民連海外本部」の幹部出身だ。
康氏は韓国国籍を保有した在日同胞で、進歩党は彼の肩書を「韓国問題研究所代表、汎民連海外本部事務処長、韓統連の祖国統一委員長」とホームページに紹介した。彼は「韓国問題研究所」代表として活動したが、盧武鉉政権当時海外親北関係者国内入国を推進したいわゆる「海外民主人士名誉回復と帰国保障のための汎国民推進委員会」のリストには韓統連・汎民連幹部として登載されている。(*左写真は、2003年6月15日朝総連福岡支部で講演する康宗憲、某新聞の記事キャプチャー)
康氏が関係してきた韓統連に対する大法院の判決はこうだ。
<<在日韓国民主統一連合(韓統連)は、反国家団体である韓国民主回復統一促進国民会議(略称「韓民統」)の日本本部の構成員が1989年2月12日これを発展的に改編してその名称だけを変えたものに過ぎない。「韓統連」も反国家団体に該当する(1990.9.11.90ド1333)。>>
現在までこの判例は維持されており、韓統連の現職幹部は韓国に入国もできなかった。
ソウル行政法院行政11部は去年12月21日、韓統連議長・孫磨行(60)が外交通商部長官を相手に出した『旅券発給拒否処分取消し訴訟』で「韓統連は反国家団体であり国家保安法上の反国家団体構成罪は2年以上の刑に該当するため旅券発給拒否は正当だ」と判示した。また、「孫氏は数回北韓を訪問して『金正日将軍様を仰いで統一偉業を完成しよう』などのスローガンが提唱された行事に参加した」と判示した。
康氏が活動してきた「汎民連海外本部」に対する大法院の判決はこうだ。
<<汎民連海外本部は反国家団体である北韓共産集団を利する目的で結成された団体(いわゆる利敵団体)に該当することは明確だ(…)汎民連、あるいはその傘下団体の構成が大韓民国の存立、安全や自由民主主義的基本秩序を危うくするという情を知っていた(1996.12.23.96ド2673)。>>
汎民連海外本部に対する判決も維持されている。
康氏は、日本で6.15宣言と10.4宣言の履行および国家保安法廃止主張の先頭に立ってきた。例えば、彼は2008年10月28日、東京中央大学駿河台記念館での討論会で「保安法と統一問題は両立できない」、「李明博政府が金大中と盧武鉉政府に対して失われた10年と言うが、それより南北関係が完全に行詰りむしろ国家保安法が幅を利かせている現政権の失われた10ヶ月がもっと問題だ。李明博政府はロウソクは強制的に消し、対北ビラ散布は容認する政府」と非難した(統一ニュースから再人用)。
日本出生の康氏は、ソウル大医大本科3学年に在学中だった75年、「学園侵透スパイ団事件」で死刑宣告を受けて13年間服役した後1989年日本へ追放された人物だ。康宗憲氏はこの事件に対する再審を申請、昨年に受理されて法院に係留中だ。
*朝鮮ドットコムは、「だが、党権派が全国運営委員会は比例代表候補を辞退させる権限がないと反発しているため、今回の勧告案が実現されるかは未知数だ」と報道した。党権派と非党権派は、12日に開かれる党中央委員会で「刷新案」をおいて衝突すると予想されるということだ。
千晧宣統合進歩党代弁人は、「綱領・党憲・党規の制定と改正や非常対策委承認のための中央委員会を5月12日開催する」、「中央委員会に提出される案件を審議するため来週全国運営委をもう一度開催する予定」と話したという。