保守の使命

セヌリ党は、左派治下で飼い慣らされた日和見主義勢力であるのみ、当初から憲法的価値のため戦う意志が欠けている人々だ。
日付: 2012年04月19日 03時01分

金成昱
1.大韓民国の保守勢力は守勢的安保論理から攻勢的統一論理へと脱皮しなければならない。今回の総選挙は急場を凌いだだけだ。反逆の火はもっと大きく燃え移り大統領選挙後熱く燃え上がるだろう。
問題の核心は従北勢力が「文化圏力(culture power)」を掌握していることだ。偽りを真実に包装して大衆を広場に駆り出せる扇動能力と動員能力を完備した状態だ。手段と方法を問わない。
左派(極左)の「主思派」は時間が経つほど勢力を増やすだろう。(保守は)選挙の時ごとに疲れ切って「今回は体制を護り抜いた」と自慰してみても、「いつかは体制が覆される」のだ。第19代国会(5月30日から任期開始)で第3党になった「従北」政党が、20代国会では第2党、21代国会では第1党にならないという保証がない。「連邦制(赤化)統一」を夢見る集団が第1党になる瞬間、大韓民国の運命は終わる。
2.従北勢力に対抗する抗体がないことはさらに深刻な問題だ。「李明博」はもちろん、「朴槿恵」も闘争でなく妥協の道へ進んでいる。セヌリ党は、左派治下で飼い慣らされた日和見主義勢力であるだけ、当初から憲法的価値のため戦う意志が欠けている人々だ。12月の大統領選挙で朴槿恵政権が実現しても、メディアや出版、ポータルサイト(インターネット)、学園、学校、労組、公務員など社会全般を掌握した従北勢力は、執権勢力に全防衛攻撃を加えながら勢力をさらに増やすはずだ。
朴槿恵政権が出帆しても、北側と共助する従北勢力は、連邦制統一が訴えられている「6.15(反逆)宣言」の履行を命を賭けて強行する筈だ。朴槿恵自身が約束したことだから「6.15」の履行を拒否する名分も弱い。従北勢力との戦いを放棄した状況なので拒否する意志も弱い。闘争力もない。
(仮に)朴槿恵大統領が以前金正日に会ったように、「6.15宣言を尊重するとの約束を守る」と言いながら金正恩に会うと、韓半島の権力は南北韓の左翼連合勢力側に傾く。セヌリ党に残っている「保守派」議員らも生き残るために「南北韓和解(?)」の先鋒に立つだろう。こういう変化は次回(2016年)の総選挙に反映されて従北政党は第2党になり、連邦制統一は可視化する。
1948年建国した「大韓民国体制」を保存し北韓解放と自由統一をなす血路は、朴槿恵政権が必死の反従北闘争に取組むことだ。だが、反従北闘争は今まで期待できなかったように、これからも期待できない。白昼夢のようなことだ。
3.保守勢力は、類似保守政権であるセヌリ党を牽引するためにも、北韓解放のためにも、統一強国へと飛躍するためにも、理念政党に変貌すべきだった。だが、「文化圏力」を失った状況での理念政党の建設は当初から不可能なことだったし、これは今回の総選挙で確認された。朴世逸の「国民考え」も当初の構えを張琪杓と連帯しての中道政党と設定したため予定された没落への道を辿った。
従北派が暴れるほど保守勢力の恐れはセヌリ党への執着に置換された。インターネットでは朴槿恵体制に厳しい非難を加えながらも投票日には朴槿恵を支持した。セヌリ党は賢い者らだ。「行く先のない」保守勢力がやらざるを得ない、次善でもない次悪の選択をよく知っている。票を得るためには保守の意見を聞くより従北・左翼・左派の意見を聞く方が良いという単純な算法に慣れている。「保守」は「従北」の躍進と共に衰え、(自由民主)体制の危機は時間が経つほど深刻になりつつある。
4.「北韓急変事態」は滅茶苦茶になった乱脈の状況を整理できる事実上唯一の機会だ。北韓政権が消滅すれば従北勢力も消える。平壌からの指令がなくなった従北は、指揮者のいない楽団のように自体分裂、弱化、消滅、変質への道を辿るようになる。
こちらが何もしないのに北韓が黙って滅びる筈がない。限界に追われているのは北韓の経済であるのみで、対南工作能力と武器開発能力は非対称的に発達しているためだ。(南の)一定の勢力が命を賭けて心理戦を戦わない限り、北韓体制の崩壊は遥遠だ。
明確な事実は、南韓の「統合進歩党」の解体より北韓の朝鮮労働党の解体がもっと容易で経済的ということだ。韓国の保守勢力は、限られた運動の力量を、自由統一と統一強国のビジョンを通じて8千万民族が満州とシベリアへ進出する青写真を提示せねばならない。統一費用や北韓難民などのリスクを誇張するのではなく、北韓解放の道徳的正当性を教え、自由統一の夢を大衆に説かなければならない。そうしてこそ青年が夢を見る。大衆が集まる。
2007年に政権交替の主役だった保守勢力は、去年のソウル市長補欠選挙と今月の総選挙を経て汎保守層と一緒に再び戦いの前面に出た。戦利品もなく、そういう期待もできない義勇軍、義兵だ。何の補償もないためこの保守の壮烈な戦いはもっと確固たる目標を目指さねばならない。
自由統一は、従北勢力清算の後得られるボーナスやレトリックでない。従北勢力清算の以前に保守勢力が目指すべき理念的座標だ。建国と近代化の主役である保守勢力が子孫に残す高貴な贈り物だ。
www.chogabje.com2012-04-18 20:24

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