本当に重要なイシューが選挙戦から消えた!

日付: 2012年04月09日 20時55分

柳根一
選挙戦が本当に可笑しい。北韓側のミサイル発射、脱北者の強制送還、野党の一本化を主導した「汎民連」幹部の金正日称賛... のようなことはまったく眼中にもない。左派野党圏は当初からそうだとして、与党さえ全く関心がない。そういう問題らがつまらないためそうなのか?
北側のミサイル発射は全世界が注視するイシューだ。オバマ米国大統領も、胡錦濤中国国家主席も、メドベージェフ ロシア大統領も、日本政府も深い関心と憂慮を表明した。韓半島の周辺4大強国が全部大騒ぎであるわけだ。ところが、韓明淑は当然そうだろうが、朴槿恵委員長もこれに対して何も言わない。全世界が騒ぐ問題が唯一韓国政界においては無関心だという話だ。笑止千万の異状だ。
脱北者強制送還問題に対しては国連人権理事会が討論と表決を省略して決議案を出したイシューだ。討論と表決がなかったということはそれほどこの懸案が圧倒的なグローバル・コンセンサスを取得したという意味だ。討論や表決が全く要らなかった程に。ところが、唯一韓国の選挙においてだけはそれが「この世にそういうのはないように」取り扱いされている。笑って気絶することではないか?
問題の「汎民連」幹部(*盧修煕副議長)は、野党一本化が成立した時、韓明淑、李正姫、白楽晴教授なぢと一緒に拳骨ををぎゅっと握ったまま記念写真を撮ったという。その直後平壌に行って李明博政府が偉大な金正日への哀悼を妨害したと憤慨した。これがいったいどういうことなのか? 野党連帯とはこういう露骨な金正日礼賛者とも一味になるということだったか? 朴槿恵委員長の目にはこういうのが重要な論点ではないと映るということなのか? では、一体何が重要なイシューと言うのか?
朴槿恵委員長の苦衷は恐らくこういうもののようだ。韓国社会の20%以上が天安艦爆沈が北の仕業であることを信じていない現実で、そして、20~30代の多数が「理念的なこと」をあまり歓迎しない趨勢で、「では私にどうしろというの?」
だが、まさにそれが問題だ。左派でない勢力が、当然の戦いを回避し口を閉じたまま流れ流れて流されていること-これが問題だ。韓半島をめぐる4大強国が一様に憂慮する韓半島最大の安保イシュー、世界機構の絶対多数が口をそろえて嘆いた韓半島最大の人道的イシュー、金正日を礼賛する部類がいよいよ制度圏の汎左派に入り込んでからさらに一歩進んで今や政治の一つの軸を握った今日の韓国政治最大の特記事項-こういうことが選挙戦でセヌリ党からはただの一言も議論さえされなくなっている。そういうことで戦ったら不利だという劣敗意識から、それとも頭の中にそのような概念自体が最初から無いため。こういう形で押され続けたら将来どこまで退くつもりなのか? 洛東江まで?
汎左派が福祉という甘言で彼らの本音である理念的変革のシナリオを内側に隠そうとすることは彼らとしては当然の戦術だ。しかし、セヌリ党が「おっ、熱い」と左派の本音の危険性に少しも触れようとしない姿勢はあまりにも奇怪な詰めのナンセンスだ。

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