春の訪れとともに=編集余話 瞻星台

日付: 2012年03月28日 02時30分

 ようやく春めいてきた。梅の花が咲き、これからは桜の季節。花粉を防ぐためにマスクをつけた人がいる一方、卒業式に臨むのだろうか、はかま姿の若い女性の姿も目につくようになった。昨年の今頃は、春の訪れをゆっくり感じられる余裕はなかった。震災の被災者も、昨年よりはいくらか季節の移ろいに心を弾ませているのではないかと思いたい▼民団も年度末だ。今年は3年に1回の大会で役員改選になる地方本部が少なくない。先月の中央委員会・大会で協議・採択された新宣言綱領、規約、活動方針などを基に、各地方の事情や特色を反映した活動方針が定められる。一部地方での選挙人制度の導入や日本国籍同胞の支部三機関長就任が可能になったこと、「日本地域社会の発展を期する」との一言が綱領に加わったことなど、民団をはじめとする在日韓国人社会の変化を反映した変更である▼変化があれば混乱もある。地方大会では怒号が飛び交う場面や、あからさまに団員が眉をひそめる場面があったという。そして多くの地方本部で聞かれるのが「役員は団員の声を聞いてくれない」といった不満の声だ▼民団中央の呉公太団長は就任にあたり「聞く耳を持つ」と述べた。これこそ組織離れが進んでいる民団に最も求められていることだろう。団員宅を回り、意見を吸い上げ、団勢を把握した上で組織整備に生かしていく。そのための努力が必要だ。春は種まきの季節でもある。収穫がいつになるかわからないが、組織にとって多くの実りが生まれるような種をまいてみてはどうだろうか。


閉じる