金成昱
1．韓国は領土も狭く資源もない。国際政治的に虞犯地帯とも呼ばれる。強大国に囲まれて外からの侵略で苦しんできた5千年の歴史だった。去る60年間大韓民国は異例の平和と繁栄を享受した。韓米同盟を通じて安全保障を確保し、開放と貿易を通じて金を稼いだ。輸出世界7位、貿易9位、GDP12位(以上2011年基準)という奇跡の源泉は開放と貿易に基づいた対外進出と韓米同盟にあった。
韓米FTAは、大韓民国の平和と繁栄の基礎として機能してきた対外進出と韓米同盟の拡張だ。もっと強い平和、より豊かな繁栄への試金石だ。
2．韓米FTAを潰そうとする者らは反米主義と農民の不安心理に迎合して票を求めることだけの者だ。開放と貿易は生態系だ。世界史の流れから避けられない選択だ。そういう意味でFTAはむしろ増やすべきだ。WTOに登録された世界各国のFTAは131個、その中で韓国はただ7個を締結し、FTAの中では特恵関税で取引きされる。要するに世界は関税障壁を低くして貿易を拡大させているのに、韓国は不利な条件で貿易をしているということだ。戦略的な開放と貿易を悩むべき時期に、開放と貿易のレールから離れようと言う主張は、水を離れて生きようとする魚の詭弁だ。
3．韓国が外国と結んだ条約は2800個。ただの一件も一方的に廃棄されたものがなかった。外国でISD(投資保障協定)を廃棄した国は二国だ。左派が執権したボリビアとエクアドル。われわれがそういう国を真似しようということか?
韓米FTAが破棄されれば韓国は国際的に信用不良国家に転落する。先進国顔をすることは不可能になる。こういうやり方では韓米同盟も長続きしない。｢余計な大口で国を滅ぼす｣と言った丙子胡乱前の光海君の一喝が、今韓米FTA破棄主張勢力にそのまま適用される。
われわれ韓国が韓米FTAを廃棄したら、最も喜ぶ国は中国と日本! 韓米同盟にもひびが入るから北韓側も快哉を叫ぶだろう。反FTAで農民の票を得て、反米の旗でいわゆる進歩を熱狂させるかも知れないが、残る結果はキューバ、鎖国がもたらす灰だ。
韓国は貿易が減ると成長も止まる国だ。成長が止まれば青年失業と長期不況だけが深まる。懲り懲りの両極化もひどくなる。それでも韓米FTA反対に命を賭ける者らの正体は何か?
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青年の自助を害し、国の財政を亡ぼす半額授業料
[概念の定義]半額授業料
福祉は必要なものだ。だが、その必要な福祉は、貧しくて疎外された人々のための選別的な福祉だ。｢普遍的福祉｣という仮面を被った無差別の福祉は、大衆に迎合して国民を駄目にする道だ。自助(self reliance)の能力を害し、国家に依託して生きる無能な民を育てる。
福祉は何よりも無料でない。国民から税金を納めて必要なところに金を使うことだ。それで、無差別の福祉は国を滅ぼし、選別的福祉、対象と方法の賢い選択が必要だ。財政の健全性を傷つける福祉は、国の経済が耐えられない。
厳しい環境で熱心に勉強する大学生への奨学金の恵沢は国の財政が許す限り増やすべきだ。だが、すべての大学生の授業料を半分にしてあげることは、青年の自助能力を害し、国の財政を亡ぼす。大衆に迎合して韓国を南米やギリシャへ導く片道の列車だ。ただ一つ現れるものがあるなら、青年層に票をもの乞いして選ぶ民衆主義政治家らの汚い権力だけだ。
