日本社会の劣化が激しい。政治は何も決められないし、経済ではパナソニックやソニーといった日本を代表する会社の大幅な赤字だ。エルピーダの破綻とAIJ事件は日本衰退の象徴として映る。国民の税金を投入しておきながら、救済できなかった経営はやはり問われてしかるべきだろう。社会や組織が問題の先送りをしてきたなかで、誰も果敢に変化に対応しなくなり、誰も責任を負わなくなった▼世界はアナログからデジタル社会に、またグローバル化時代に変わった。その変化の速度と連鎖は激しい。企業と製品の寿命は短命になった。企業の存立は「巧の技」より大量生産が可能なIC回路の開発、いかにコストダウンさせグローバル販売ができるかにかかってしまった。スマートフォンの発達でカメラやフィルム産業は衰退したが、製品の衰退と進歩は別の分野でも繰り返されるだろう。需要が減退した産業では、早く撤退するか付加価値をつけるかの経営的判断が求められる。それを先送りし続けた日本企業は、いつの間にか日本だけでしか通用しないガラパゴスになった▼韓国経済はIMF危機のお陰で、世界のデジタル化とグローバル化に対応した。しかし韓国の政治は日本経済と同じようにガラパゴス的な状態だ。北韓を背後に抱え、冷戦構造がそのまま残っている。同一民族でありながら非難合戦。緊張の緩和すらできない。北は韓米と交渉したり引っ込んだりの条件闘争ばかりだ。韓国も高齢化の弊害をこうむる時がくる。福祉予算をかけすぎると日本のようになってしまう。