23日、在日韓国民団の選挙で戦後生まれ(!)の団長が誕生した。祝賀会場での第一声は「和を以って貴しとなす」。古めかしいが妙に説得力があった。立会い演説でも呉公太新団長は「正論を少し抑えて和を保つ」と語った。その新団長はじめ新三機関長はサブつまり副任員指名をいずれも即答せず一任を要求した▼門出には難問が待ち受けるもの。ある地方団長に訊ねたら、「(サブの指名に時間を要求したのは)難しいのでなく、改革しようという意志の表れでは」と一言。いまのままでは難問を解決できませんよ、変わってほしい、という全中央職員に伝えるメッセージだと見ている▼出自が多様化する在日勢力の統合をうまく進めるための妙手も必要だろう。難問のひとつをぶつけたニューカマー支団長は「どういうふうにすればいいですかね」と聞き返してきた。そして、「ニューカマー、韓人会の部屋を中央本部にひとつくれますか」と話していた▼その場にいた別の支団長の答えは「次の韓人会会長を地方本部と支部の三機関の副役員に入れるのはどうか」というもの。東京の一部には、ニューカマーの職業団体がある。それを傘下に置くには団体の会長にサブをやらせたらいい、という考え方だ▼支部から変える、が団長選を戦った2人の共通公約。「日本の社会と同じでやはり地方から変えないとダメ」という声も聞かれる。地方の元団長は「座ってしまうとできないことも、座る前には言うもの。しかし、やるといったら火の粉をかぶる覚悟で」と、新三機関長への大きな期待を強い言葉に込めていた。