継承すべきは米朝合意の遺訓=編集余話 瞻星台

日付: 2012年01月18日 00時00分

 金正日の死により、北は前代未聞の3代世襲体制になった。金正恩は当面、「遺訓統治」で権力の掌握をせざるをえないが、3代も続いた体制のどこに「革命性」があるのか。権力の封建的継承により「李氏朝鮮」から「金氏北朝鮮」王朝が続いているのと何ら変わらない▼今回の金正日の死は、ほぼ米朝協議の合意が決まりかけていた時期のことだった。外務次官級協議が北京で12月15日に行われ、米国が19日に北韓に24万トンの食料を支援する見返りに、北が核兵器開発(ウラン濃縮)やミサイル試射をやめることで合意。12月22日に北京で再度の米朝協議を行い、6カ国協議の再開を決める予定だった。その矢先の17日の死だ▼94年7月8日の金日成死亡時も同じだった。当時米朝は核の枠組みに合意し、7月25日に平壌で金泳三大統領との南北首脳会談が開催されるまで合意していた。米朝協議がほぼまとまりそうな時期に、北の金日成と金正日は死んでいる。たまたま運がなかったのか、米朝の協議妥結を拒む勢力があるのかはわからないが…▼権力を掌握するための「先軍政治」を続けても問題の解決にはつながらない。「先民政治」で中国のように開放経済に舵を切っても政権の基盤を揺るがすことになる。若い指導者に託すには不安が多すぎる。金日成は6・25動乱の折、南北双方で約300万人の犠牲を出し、金正日は少なくとも50万人以上を餓死させた。金正恩が遺訓統治を行うのであれば、「先軍政治」でなく米朝協議を合意させようとした意思を引き継ぐべきだろう。


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