北韓側の武力挑発類型を国民にも周知せよ!

北韓の武力挑発はわが軍だけの問題でない。国民も備えなければならない。
日付: 2011年12月06日 13時54分

金成萬(在郷軍人会諮問委員、元海軍作戦司令官)
北韓の武力挑発の可能性が高潮しつつある。国防部長官がこれを警告し、北側は「青瓦台(大統領府)を火の海に」と脅迫している。したがって、わが政府と国民はこれに対応を急がなければならない。詳しく見てみよう。
金寛鎮国防部長官は全部隊に示達した長官指揮書信8号(北韓の延坪島砲撃挑発1周年に際して、2011.11.18)を通じて、「敵は彼らが選んだ時間と場所で、われわれの予想を超える奇襲的な挑発を画策しています。そして必ず挑発してきます。今まで血と汗を流して訓練してきた通り、徹底準備してきた通り、梯隊別の戦力と合同戦力を総動員して挑発の原点はもちろん、支援勢力までも膺懲せねばなりません。それで二度と挑発を考えられなくしなければなりません」と強調した。
李明博大統領は11月23日午前、北側の延坪島砲撃挑発1年をむかえて京畿道華城市峰潭邑所在の西北島嶼防衛司令部(海兵隊司令部)を初めて訪問し延坪部隊将兵たちと画像通話で軍事対備態勢を点検した。李大統領は、「北側は未だ(延坪島砲撃挑発に対して)公式的に謝罪していない」、「いつかは民族が和合するためにも北側が公式に謝罪の意向を表明することを期待している」と話した。(*左写真)
李大統領は当初延坪島を訪ねて昨年北側の砲撃挑発当時応戦した将兵たちを激励しようとしたが天気が悪かったため訪問できなかった。
金国防部長官は12月1日、国防部で開かれた2011後半期の全軍主要指揮官会議で、「来年をいわゆる強盛大国進入元年と設定した北韓側は、3代目への世襲に伴う権力委譲による政治不安や経済難や住民不満などへの突破口を作るために挑発という手段をまた使える。敵が挑発してきたら自衛権次元で強力に膺懲することを強調し、去る1年間準備してきた」と言った。(*右写真)
一方、北側は、11月24日わが軍が前日延坪島砲撃挑発1年をむかえ延坪島と白翎島一帯で実施した軍事訓練に対して「青瓦台を火の海に」という表現まで動員して非難した。北韓軍はこの日「最高司令部報道」を通じて、「南朝鮮傀儡軍部の好戦狂たちは23日午後1時から朝鮮西海5個島地域とその周辺水域で大規模的な反共和国戦争練習の騒動を行なった。万一、再び我々の尊厳を汚し神聖な領海、領空、領土にただ一発の銃砲弾でも落ちたら延坪島の火の海青瓦台の火の海へと、青瓦台の火の海が逆賊輩党の本拠地を根こそぎ破壊する火の海へと燃え移るようになるということを肝に銘じねばならない」と脅かした。
また、「昨年の延坪島砲撃戦は、わが軍隊の事前警告にもかかわらず、神聖な共和国の領海に先に挑発してきた挑発者たちへの正正堂々たる自衛的措置だった」、「延坪島砲撃戦1周年を契機に教訓を得る代わりに我々を口実に大規模的な反共和国戦争練習騒動を行うことは、わが軍隊と人民への新しい政治軍事的挑発」と主張した。そして、1週間後の11月30日には平壌放送を通じて「我々の警告は決して口先だけの言葉でない」という題名で再び脅迫した。北側が「青瓦台を火の海に」という用語で威嚇したのは今回が初めてだ。
金正日(69)と金正恩(27)が11月25日と26日、異例の西海北方限界線(NLL)一帯の軍部隊を視察し、引き続き金正日が新任の4軍団長にある「特命」を下したという諜報でわが軍当局が緊張している。金正日父子は11月25日、北傀軍4軍団司令部を訪問した。「4軍団」は、昨年3月に偵察総局と一緒に天安艦を爆沈させ、11月には延坪島砲撃挑発を主導した部隊だ。金正日が昨年延坪島攻撃直前に黄海道ケモリ近隣の大隊を訪ねたことはあるが、黄海道の前方とNLL一帯を管轄する「4軍団司令部」を訪問したのは今回が初めてだ。11月26日には「4軍団」近隣の空軍1016軍部隊を視察したという。
米国防部のレスリ・ハーライド代弁人は、2011年11月30日、北韓の軽水炉建設とウラニウム濃縮活動や「青瓦台火の海」威嚇などにへの米国防当局の立場を訊く「米国の声」放送(VOA)の質問に対して「米国はアジアの現状況を注目し、域内の国々との協力の下、軍事力を維持しながら脅迫と侵略行為に立ち向かう」と答えた。
以上を総合してみれば、金正日は11月に西海の軍部隊(4軍団、空軍部隊など)現地視察を通じてある種の指示を下したと思われる。そして北側は昨年の天安艦爆沈と延坪島砲撃挑発に対して謝る意向が全くないことを明らかにした。むしろ、これからわれわれが西海5島で昨年のような海上射撃訓練をする場合、青瓦台を攻撃するということだ。
これに対応してわれわれが自衛権を発動すれば、全面戦争で韓国全体を火の海にすると脅迫している。だからと言って、われわれが西海5島のわが海域で定期的に実施する海上射撃訓練を中断する訳にはいかない。わが国防部長官は北側が必ず奇襲挑発をしてくると言った。わが政府は北側の「青瓦台を火の海に」に対して現在まで一切対応していない。
それではわれわれはどうすべきなのか?
北韓側の武力挑発はわが軍だけの問題でない。国民も備えなければならない。昨年延坪島と天安艦襲撃事件が私たちに与えた教訓だ。北韓側は昨年11月23日午前、わが国防部へ「伝言通信文」を送って、もし韓国延坪部隊が海上射撃訓練をすれば攻撃するという意志を明確にした。だが、わが国防部は日常的な脅迫程度と評価し対応措置を取らなかった。結局、延坪部隊と延坪島の住民は奇襲攻撃を受けた。西海5島の住民は多くの被害(人命、財産、陸地へ避難、漁労禁止、観光収入減少)を被った。
したがって、今回の状況も過小評価せず準備しなければならない。それでこそ北側の挑発を抑制でき、被害も最小化できる。国防部は北韓側が武力挑発するという漠然とした警告だけをしてはならない。いつどういう類型の挑発が予想されるのかを事前に国民に詳細に周知させねばならない。(konas)
www.chogabje.com 2011-12-06 11:19

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