議会民主主義の三大敵

国会議員でありながら表決を妨害する者、国会を攻撃しろと扇動する勢力、法律と規則が破壊されるのを傍観する者。
日付: 2011年11月26日 23時24分

梁東安(韓国学中央研究院名誉教授)
どの国にも自国の政治制度の作動を妨害する敵らがいる。わが国にもわが国の議会民主主義の作動を妨害する敵がいる。大韓民国で議会民主主義の作動を妨害する最大の敵は次の3つの部類の集団だ。
最初の敵は、国会議員でありながら国会が討論→妥協→表決の場になれないように妨害する者らだ。国会は議会民主主義において問題解決の機関であり、国会においての問題解決は、決まった規則に従う討論→妥協→表決を通じて行なわれる。国会議員が如何なる理由でも討論、妥協、表決を妨害することは国会の問題解決機能を麻痺させる行為であり、これはまさに議会民主主義の作動を停止させることだ。
議会の内部から議会民主主義を作動不可能状態に陥らせるこういう者らは一様に「民主主義」を振り翳しながらそういう行動をする。議会民主主義を麻痺させる彼らの行動から彼らが青筋を立てて叫ぶ「民主主義」が何を意味するのか分かり難い。歴史を見れば、反民主主義者らが民主主義を主張しながら民主主義を殺害した例も少なくない。
二つ目の敵は、群衆に向かって国会を攻撃しろと扇動する勢力だ。最近、民主党の某議員と某議員は、韓・米FTAに反対する勢力に向かって国会を包囲して国会での韓・米FTA批准同意を阻止して欲しいと扇動した。国会を包囲、強圧して、国会が機能しないようにさせることは議会民主主義への反乱だ。国会を包囲しろと扇動する行為は、議会民主主義への反乱を扇動する行為と差がない。(*左写真は李鍾杰と鄭東泳)
議会を攻撃しろと、議会民主主義に対して反乱を起こせと扇動する者らも表に出す名分はいつも民主主義だ。民主主義の名で民主主義への反乱を扇動するこういう議会民主主義の敵は、自分たちの反民主主義扇動に反対する議会の措置をかえって反民主主義と糾弾する。呆れ果てる。
三つ目の敵は、議会民主主義の法律と規則が破壊されるのを傍観する者たちだ。この傍観者らは国会議員でもあり得るし一般国民でもあり得る。議会民主主義の法規に違反した者らに対して国会議員は厳重な懲戒をせねばならず、有権者は選挙の時そういう者らを必ず落選させねばならないのに、傍観者たちは寛容の美徳を理由にそういう処罰を事実上妨害する。
寛容というのは一般的には良いことだが、こういう反乱への寛容は美徳でなく悪徳だ。民主政治はスポーツに喩えば非常に荒っぽい競技に該当する。荒っぽい競技であるほど競技の規則が厳格に守られなければならない。そうでないと競技は乱闘場・喧嘩の場になってしまう。民主政治が上手く実行されるためには法律と規則が厳格に遵守されねばならず、法規違反者らを厳罰せねばならない。厳罰しないと、法規違反行為が反復的に発生し議会民主主義が故障を起こすようになる。
上に列挙した3大の敵が存在する限り、どの国でも議会民主主義はまともに作動しない。この国で議会民主主義をまともに実行するためには早急にそういう敵を剔抉せねばならない。その剔抉が行なわれない限り、この国で議会民主主義が正常に作動する日は来ない筈で、終極には議会民主主義そのものが瓦解される。
www.chogabje.com 2011-11-26 14:49

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