中央商銀はどうなっているのか(2)

経営の立て直しに向けて改善すべきポイントは
日付: 2011年11月16日 07時47分

<経営陣の刷新>
 経営が行き詰まる中央商銀に再起の道はあるのか。克服すべき問題点を挙げるとすれば、最初に来るのは経営陣の刷新だ。この4年間の決算を見ると、毎年赤字になっている。これはいわゆる金融機関の健全性としては完全に“アウト"に当たるのである。この責任は経営陣がとるべきだ。
 中央商銀は関東財務局から2回も検査を受けている。事実上、金融庁から業務を改善せよといわれたということだ。最初の検査の結果、中央商銀は法令順守と理事会を含む人事管理を適切に行うことなどを命令された。これが2009年4月のことだ。しかし翌2010年4月には改善への取り組みが不十分であることや、法令に基づく届け出がなされていないなど、厳しい指摘を受けた。さらに反社会的勢力への不適切な対応や、理事らに対する法令順守と経営体制の見直しを迫られている。同様の指摘を1年半も経たないうちに受けていたということだ。
 現在日本にある信用組合は158。彼らが今までどれほど当局から救済を受けてきたか。そのうち在日系の信用組合がどれほど救済されているか。別表のとおり、総額は約2兆3000億円になる。組合員が一生懸命稼いだお金を、一部の理事やその関係者らが吹き飛ばしてしまったということだ。
 金融機関との信用取引には“敗者復活戦"は存在しない。07年の中央商銀発足以来結果を出せなかった経営陣は、信用を第一とする金融機関の建て直しの際には潔く身を引くべきなのだ。

<内部管理の徹底>
 専門家によると、当局からの処罰等の結果措置は来年3月期には行われるという。今年中に体制を改め、来年3月までに再出発できないと、韓信協にまで影響がおよぶことは必然だと考えられる。その韓信協は中央商銀に資金援助をし、これからもするという話もあるが、その借入金に対する償還は以前と違い、5年以内に弁済しなければならない。それには有能な経営陣と、彼らに率いられた有能なスタッフが必要だ。
 ここ数年、中央商銀では1000万円から約5億円までの大規模横領事件が発生している。しかし、不正をしたにもかかわらず、辞めずに残っている役員や職員さえいる。
 経営再建に当たっては、最初に誰に責任があるのか、その所在を特定しないといけない。組合員の預金を食い潰してしまった役員と職員は責任を取らなければならない。外部からの資金を入れる前に、経営システムの改善を図る前に、ここから手をつけなければいけないだろう。それも徹底的に。

<外部の専門家の受け入れ>
 有能な経営陣とスタッフを揃えることが中央商銀再建に必要な策であることはすでに述べた。適材は、韓国と日本の金融機関の双方で実務を経験した人物だ。
 とはいえ、よりよいのは組織対組織で関係を構築することだ。改善策として一つ提案したいのは、在日系の新韓銀行の日本法人であるSBJ銀行との関係強化である。同行設立の際に、在日韓国系金融機関との協力が目的となっていた側面は否定できない。同行との人的交流をまず始めてはどうか。簡単に資金援助ということはできないが、場合によっては資金を入れて経営の立て直しができるのではないか。
 問題の根本のひとつは、不良債権が増えたことだ。それを減らすためには、同様のケースを脱した近畿産業信用組合などの成功例から学ぶことが有効といえる。第三者の視点から監督してくれる有識者グループを入れるのも効果的だ。地域密着型のリテールが充実している日本の地方銀行や信金からノウハウを得るのもいい。
 外部から人材と知恵を入れるため、在日系信組をたばねる立場にある韓信協は、中央商銀問題を率先して解決に導く努力をしなければならない。
 韓信協は中央商銀に対して何度か資本支援を行った。しかしそれは単年度の決算を乗り切るための支援にとどまり、経営基盤強化を強力に進めるイニシアチブを発揮したものではない。韓信協や在日韓国系銀行の積極的かつ強力な支援態勢と仲介機能が必要だろう。韓信協や韓商連と三位一体を自認する在日韓国民団はこの問題を傍観しているのが現状だ。
 他行との協力関係のあり方について中央商銀は「スキーム、チームを組み、融資案件でお願いできるものがあれば協力を要請した」(鄭学永副理事長)と、個別案件の支援について述べるにとどまっている。


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