倒れた独裁政権に思うは…=編集余話 瞻星台

日付: 2011年10月26日 00時01分

 独裁者がまた一人歴史から消えた。血にまみれたカダフィ大佐の映像がトップニュースで流れ、独裁者の末路に、北韓の金正日とダブらせた在日同胞も多かったのではなかろうか。20数年前のルーマニアのチャウシェスク元大統領も公開銃殺に処せられ、同じように血を流した。その独裁の極みである金日成から金正日への親子2代の権力世襲、21世紀に入って3代世襲に血道を上げているのが北韓だ▼独裁政権が崩壊する運命にあることは歴史が証明している。金正日か、世襲への地固めをしている金正恩、いずれかもたないだろう。北アフリカのチュニジアで始まった「ジャスミン革命」が、北韓にまですぐにおよぶことはなかろうが、権力の中枢にいる人たちの心中は、きっと穏やかでないことは、想像に難くない。今頃は「共和国は情報を統制しておりますので大丈夫です」との報告が金正日、金正恩に上がっているかもしれない▼韓半島は3方を海に囲まれており、外部の情報を遮断するのに都合がよい。だが情報を完全に遮断することはできない。北のテレビ、ラジオは官営放送だけだが、携帯電話が60万台ほど普及しているとの報道もあり、先日脱北した9人は、韓国のDVDを見て憧れたと証言している▼考えようによっては、北韓政権の崩壊へのカウントダウンが始まったと思えばよい。中国が石油と食糧援助をストップすれば北韓はもたない。韓国はどうか。親北・従北左派のように北韓住民の人権、生活苦に目をそむけ金正日政権に盲従するのか、住民の自由と幸福を願うのか、答えは明白だ。


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