従北勢力の2012年執権戦略はこれだ!

国家情報院の元国内担当次長の警告
日付: 2011年10月06日 23時01分

金銀星
先月の9月5日、脱北者を装った北韓偵察総局所属工作員が自由北韓運動連合の朴相学代表や金徳弘氏などを毒針で暗殺しようとして国家情報院に逮捕されたという報道があった。
9月18日にはインターネット上で金正日体制など北韓を褒め称える記事が2年間に45倍も増えたことが警察資料を通じて明らかになった。
 
1.今国内の左派・従北勢力は金大中と盧武鉉政権当時より勢力がはるかに拡張され闘争方法も北韓の統一戦線戦術と完全一致しているため、情報機関で生涯を送った人間として憂慮するところが非常に大きい。
 
「太陽政策」の推進過程で、以前は規制された活動が合法化されて左派らの対北接触が容易になり北から直接闘争戦術が伝授され指示を受けるようになった上、国民の対共警戒心も大きく弛んだため従北活動が非常に容易になったためだ。
 
反面、情報・公安機関の能力は縮小され無気力になり、さらに機関長たちが国家保安法違反事犯を捜査、処理することに相当な負担感を持ったため一線捜査要員たちの士気は極度に落ちていた。
 
情報機関の責任者は、世界の情報機関が全部やる盗聴をわが国だけがやっているかのように「良心宣言」をしただけでなく同組織に職員の犯罪に対する捜査権があるに拘らず検察に捜査を要請したことで高位幹部出身が自殺し、拘束される事態まで発生した。
 
彼の「良心宣言」は、民主化に寄与どころか不純勢力が安心して反国家活動を恣行しても捜査端緒の捕捉すら不可能にして共産化と従北化に絶対的に寄与した。二期の左翼政権で1、2人を除いては全員そういう人物が国の最高情報機関の首長を務めたため全社会がこういう状況になった。
 
任命権者の命令だったためどうしようもなかったとすれば、大統領の指示にもかかわらず職をかけて国家保安法を守り抜いた人は命令不服従者なのか?
 
私は二つの政権(*金大中と盧武鉉)中に北韓から多数の工作指導勢力が南韓に浸透して活動拠点を確保し今も左派勢力(従北勢力)を指揮していると考える。
30年ほど情報分析をすると、心証や肉感というものが働くが、私の経験ではほぼ的中した..
まず、心証が得られれば広範囲な通信追跡と尾行など潜伏活動を粘り強くやらねばならない。これは国家安保のために止むを得ないことであり問題になれば司法処理される覚悟までせねばならない。心証だけでは令状請求はできないが追跡や内査はやらねばならない。粘り強く、場合によっては1、2年以上がかかるが、緊急監聴だけでは対応できない。
 
したがって捜査官は数ヶ月も退勤できず、面会室で家族が持ってきた服で着替えなければならない。このため家庭が破壊されたり、妻が疑夫症で数ヶ月ぶりに帰宅した夫を刃物で殺した事例もあった。恐ろしいほどの使命意識や自己犠牲が必要だ。職種別の統計を見ると、捜査官たちが過労とストレスで寿命が最も短いことが分かる。
 
南派された地下党員(工作員)は、点組織を通じて従北政党や団体に指令ラインさえ構築すれば左派・従北勢力を一括操縦することができる。左派は自分たちが操縦される事実も分からない場合もある。
 
2.南韓側に「地下党」を構築する条件が十分にできているのに黙っている北韓政権なのか? 彼らは1960年代の反共体制が厳しかった朴正煕大統領時代にも「統一革命党」を作った人間たちだ。
 
細胞は分裂しないと死ぬ。左派勢力が2倍数、3倍数に増えるのはこのためだ。条件が調えば直ちに細胞分裂の作業が始まり、環境が不利なら有利な環境を作る。そういう点から金大中、盧武鉉執権の10年間は北側の指令によって「地下党」を構築し組織を拡大できる絶好の機会であり十分な期間だった。
 
李明博政権の発足で活動環境が不利と予想されるや直ちにロウソク示威を通じて政権の気を挫いて有利な環境作りに成功したのだ。彼らは米国産「狂牛病牛肉」の輸入反対を口実で100日間のロウソク示威を通じて左派・従北団体や大学生、市民、農民などの結集能力を点検、誇示しながら、ひそかに同調勢力を糾合して組織を拡大する一方、政府の対応能力を試して見たのだ。
 
政府と与党、保守層は守勢に追われるばかりで、社会秩序は崩壊した。大多数の言論がロウソク示威を批判したにも勢いを保ち、「全教組」教師たちは高校生らを扇動してロウソク示威に参加させた。
 
李明博を選択した国民は強力な国家規律を期待したが。政府の意志も対処能力もないことが立証されたことで左派の顔色を窺う立場になってしまった。多数派が少数派に主導権を奪われたのだ。
 
ヒットラーは、「国民は、支配してくれる者を待っており、宣伝によって天国を地獄に、地獄を天国に見做し得る」と言った。
 
政府が支配力を失い弱気を見せたのに、徹底した安保意識や反共理念で武装していない限り、誰を信じ誰の言葉を信頼するだろうか? 左派は国民世論や言論の批判などに気を遣わず闘争を展開する。
 
3.従北勢力は国民の支持有無を気にせず目的達成のためには一切の妥協と対話を拒否する。合法的に拘束された郭魯炫を釈放せよと駄々をこねる奴らだ。正しいことをやるためには法を守らなくても良いという詭弁を弄する。
 
争点さえあれば、連帯闘争や宣伝、扇動で、メスコムの多くの関心と紙面を占めることでメスコムを友軍化ないし中立化させ、保守的媒体や公営媒体さえも混同するように雰囲気を作る。
 
「保守的」媒体に一言と言いたい。今は保守・右翼対左派・進歩間に血を流す戦いが展開されその結果が大韓民国の運命を決める筈だ。言論が国を救うという偉大な使命感を持って言論の真実の力を見せてくれることを期待する。言論の他には期待できる所がない時代であるためだ。
 
ある有力全国紙が9.19日付のインターネット版のトップニュースに、葬儀屋に関する記事を掲載したが内容には葬儀屋が「盧武鉉大統領の(屍身)顔をつくづく見ると信念と確信にみちた表情だった」という件が出る。長々5ページに亘る記事だ。言論社の考えだろうが葬儀屋の記事がそんなに重要なのか....
 
彼らは宣伝、扇動を通じて労働者と農民を組織化し組織結集力を強化する「宣伝と組織の結合戦術」を使う。
ローザ・ルクセンブルグは、「まず宣伝活動を通じて革命勢力を組織的に成熟させながら、ブルジョア国家では民主的権利拡大など改良のための宣伝と組織拡大闘争を日常化せねばならない」と言い、宣伝と組織を結合した彼女の革命戦術の基礎理論を提示した。
 
今の左派らの戦術とぴったり符合する...。宣伝活動で同調勢力を拡大、糾合し、次に闘争の標的と名分を探す。残りの問題は運用資金と情報の確保だが、憂慮することはない。
 
4.「美しい店」は、教会を通じて慈善活動を口実で衣類、家電製品などの寄贈をもらって安い価格で販売する。良いことに基金を使うと言うから「美しい店」にはいつも利用者で混み合う。
 
また、左派・進歩組織の幹部たちは企業体に顧問や社外理事などで勤めて給料を貰い、協賛金や支援金まで誘致して「美しい店」から稼いだ収入と共に従北、反米、反政府団体に活動費を支援する。地方自治体を利用して数億台の受託研究を契約するか色々な講座を開設して受講料を取ったりする。
北韓やイスラム圏からの資金流入の可能性に対しても検討が必要だと思う。
 
情報の収集もお金を掛けず容易にできる。左派の組織員は各分野や政府部署など各界各層に根を下ろしているため情報の獲得がいくらでもでき、政府政策や与党の人士たちを攻撃する時の暴露資料として活用する。こういう高級情報は当然北韓当局にも報告される。
 
左派-従北勢力は、自分が知らない内にスパイ行為をしており金正日の宣伝員の役割をしているとことを自覚せねばならない。愚かにも左派組織からそれらしい職責やお小遣いが与えられて認められれば、自身がどれほど危険な事をやっているのかも知らず献身し忠誠をつくす。
 
それで、左派団体らの面々を見ると、名前が違うだけで同じ性格を持つ組織と職責が数多くあり、組織や職責の名称も大層だ。だが、下部組織と職責を持って独自にできることは何もない。ひたすら上部ラインからの指示に従う行動があるだけだ。
 
「汎民連南側本部」議長の文益煥牧師は、1989年金日成に会った大物の親北人物だが、北韓の戦略指示に逆らって汎民連を解体しようとする安全企画部のスパイといって主体思想派によって除去されて激しいストレスで死亡した。彼らによって徹底的に利用されてから除去されたのだ。
 
5.(従北勢力は)赤化統一されても、南労党のような惨めな末路を迎える。政治史や戦争史を見れば利用される者は常に利用されて死ぬ消耗品という大原則がある。
 
彼らの目標は北韓が望む赤化統一のために有利な環境を作るところにある。その為に一次的に南韓に左派政権を作らなければならない。政権交替のためには、手段と方法を問わず、国民が現政府と与党を信じないようにし、無能政権の烙印を押さねばならない。
したがって政府の施策に対しは施行を保留させるか霧散させるため劇烈闘争を強行し野党を引き込んで政治問題化することで、結局、政策決定や施行を先送りするよう強いる。
 
行政首都移転問題、龍山撤去民事件、4大江整備事業、韓進重工業事態、済州道江汀村の海軍基地建設反対など事案ごとに政府に立向かって闘争を展開するのがそういう戦術の一環だ。
 
今年の夏の特別に多かった豪雨や梅雨にも毎年被害を受けてきた4大江流域住民に被害が無かったという。檀君以来最大の災殃を予告し断髪に断食闘争まで行った左派勢力や野党は何の言葉もない。これが彼らのお決まりの闘争方法だ。彼らがどれほど虚構的で無責任なかを知らねばならない。
 
北韓側の天安艦爆沈や延坪島砲撃のような挑発行為と威嚇が、韓国民に戦争恐怖感を植え付けて政府の強硬対応に対して不安感を与えるだろうと予想した左派・従北勢力は、こういう雰囲気を政府の対北政策を批判する良い口実としている。
 
一方、北側の南北間秘密接触の暴露と、天安艦爆沈への謝罪なしの「6者会談」再開や南北対話の動きは、保守・右翼勢力が政府の一貫性のない対北政策を批判するようにしている。
 
6.結局、左・右派からの両面攻勢で政府は孤立することになり、北韓と左派には有利な局面を作ってあげることになる。以前は危機意識が国民を結集させ政府と与党に有利だったが、今は逆に国民を分裂させ左派や野党に有利な局面として作用する。このように左派・従北勢力は、明確な戦略目標の下で強力な闘争意志を持っており、組織、宣伝、資金調達能力を持っている。
その上に環境(対政府不信、与党の分裂、若年層の支持)と機会(ソウル市長補欠選挙、総選挙、大統領選挙)が揃っているため政権交替が十分に可能で自分たちの時代がくると確信している。
 
来年の総選挙や特に大統領選挙は、60年間築き上げてきた民主と成長の努力の結晶が崩れるか、それとも逆に強固になるかが決まる重要な年だ。その前に行われるソウル市長補欠選挙は来年の両大選挙を見定める機会になる。決定権は北韓や左派でなく、われわれの心がけにかかっている。
 
私たちは毛沢東が地球戦略論で主張した次の言葉を深く省察しなければならない。
「戦争力量の1次的な源泉は軍事力や経済力、武器でなく人間だ。戦争の決定的要素は物質でなく人間だ。力量の対比は、軍事力や経済力の対比であるだけでなく、人材や人心の対比でもある。軍事力と経済力は人間が掌握するものだ。」
 

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