北に「盗んで」もらいたいもの=編集余話 瞻星台

日付: 2011年09月07日 16時14分

 北韓の「偉大なる首領様」金日成が、実はソ連出身の金成柱だったことは広く知られている。彼は抗日パルチザンの英雄金日成になりすまし、ソ連軍の後ろ盾によって、まんまと北韓を手に入れた。つまり金成柱は、本物の金日成の功績をそのまま盗み、独裁政権の礎にしたのだ▼本紙で繰り返し取り上げているが、来年の韓国在外選挙に向け、北韓と従北勢力が国内外で本格的な介入を始めている。彼らは韓国に親北国会をつくり、親北政権を再び擁立することを最大の目標にしている。彼らにとって、親北政権こそ北体制を支える一番近くの援助国になりうるからだ。そして、金成柱が金日成の功績を乗っ取り、その成功の上に居座ったように、あわよくば成功した韓国を手中に収めようとしているのかもしれない▼金成柱が金日成を装って平壌に姿を現したとき、金日成にしては若すぎるという疑問を持った人々がいた。しかし彼らは秘密警察によって沈黙させられた。こうして既成事実を重ね、政敵を排除していった金成柱は、現在まで続く3代世襲の「金氏王朝」の始祖となった▼先月末に行われた無償給食をめぐるソウル市住民投票でも似た状況が起きた。「投票に行く=市長支持派」という構図を作った野党のキャンペーンにより、市長が正しいと思う有権者が周囲の視線を気にして投票にいけなかったというのだ。それでも25%以上の市民が投票したという事実と、民主主義システムというシステムを持っていることは心強い。北韓も従北勢力も、盗むならそういう制度を盗んでいったらいかがか。


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