裵振栄(月刊朝鮮記者)
ソウル市選挙管理委員会が、無償給食の可否を問う住民投票日(8月24日)を知らせるための呉世勳ソウル市長の1人立て札広報を禁じた。ソウル市選挙管理委員会は、呉市長の1人立て札広報が続くと住民投票法上の公務員の中立義務に違反するとみて8月17日に中止命令を下したと18日発表した。
ソウル市の選挙管理委員会関係者は、「1回性の立て札広報は単純な情報提供と看做すことができるが、反復的に継続すれば投票参加を督励する運動と判断するしかないため中止命令を出した」と言った。
そして、「呉市長が去年の地方選挙でも自分に支持を訴えるための1人立て札広報はしなかった」、「敢えて今回の住民投票を前に繰り返し1人立て札広報をするのは投票参加を訴えるための意図が多いと判断した」と付け加えた。
市選管委は、同じ理由から呉市長の代わりに他のハンナラ党所属議員が住民投票日を知らせるために1人立て札広報をすることも許容しなかったと表明した。
到底納得できない。どうして住民投票参加を督励してはならないのか?
今まで選管委は選挙毎に投票率を高めるためあらゆる広報物を作って配布し、「広報大使」を任命するなど投票率を高めるために大騒ぎしてきた。選挙のない時も各級学校での教育を通じて選挙参加=民主主義であることを教えるため努力してきた。
昨年の地方選挙(6月2日)の時も、選管委は「私と家族のために投票で言いましょう」(*左写真)として投票を督励した選管委が、なぜ今回は「私と家族のために投票で言いましょう」と広報してはならないのか到底理解できない。
国会議員選挙や地方選挙の投票督励は合法で、住民投票への投票督励は不法なのか? それとも「選管委」の投票督励は合法で、自治体長や国会議員の投票督励は不法なのか?
呉世勳市長は自治体長だからそうだとしても、ハンナラ党議員たちの投票督励まで禁ずるのはどういう理由なのか?
投票を督励することが不法だという選管委は生まれて初めてだ。これは選管委の存在意味を否定することではないか? 世の中には本当に奇怪な選管委もあるものだ。