アントニオ・グラムシが韓国を討った!

人々の頭と心を先に染めてから世の中を掴む!
日付: 2011年08月07日 20時11分

柳根一
イタリアのマルクス主義の元祖アントニオ・グラムシが1920年代に「文化戦争(culture war)」論を説破した以来、青少年教育、大学講壇、大衆文化、大衆媒体を掌握しようとする左派の変革運動家たちの戦術はかなり成果を上げてきた。
韓国のNL(民族解放派)とPD(階級開放派)も1980年代以来、現代史教育の分野、学術界、大衆芸能界、文化理論分野、メディア、宗教界など各分野で途方もない権力を行使してきた。人々の意識を変えるために。 ただ、アントニオ・グラムシは哲学ではボルシェビキやレーニンと違ったが、韓国のNLやPDは、哲学では亜流レーニン、亜流毛沢東で、手段方法だけがグラムシであるだけだ。
後進国では暴力革命で権力を先に奪取し、その後人々を洗脳し教養し思想を改造する。レーニンや毛沢東がそうした。だが、グラムシ(*左写真)の先進国革命論は、人々の頭と心を先に染めてから世の中を掴むという戦術を提示する。
人々の頭と心をどんなコンテンツからどんなコンテンツに変えるか? 今日には世界化反対など社会主義的な政治経済論の他にも、同性愛擁護、家父長制の破壊、左派的フェミニズム、兵役拒否、左派的反戦意識、環境根本主義、位階秩序の破壊...のような社会文化的コードが頻繁に登場する。文化的な意味の伝統主義(traditionalism)対世俗的進歩主義(secular progressivism)の戦いであるわけだ。
青少年らたちや20~30代が何かをまともに分かっていないながらも簡単に左へ傾くのは、まさにこういう偶像破壊的な抵抗や崩しの感じ(feel)が、彼らの頭や心によく食い込むからだ。それで左派文化革命の「働き手」たちは、伝統社会の古ぼけた認識体系や慣行らを、映画と演劇と小説と歴史教科書と大衆媒体と書店、そして宗教集会の講論台を通じて食い付き、皮肉って、風刺し、蔑み侮辱する方式を好んで使う。特に青少年が熱狂する「文化祝祭」という名の狂乱の巫女祭りを通じて。
民労党の学生委員会出身の海士教官が、大韓民国国軍の予備将校たちの頭と心を変えるためにそういうことをやって起訴された。あるEBS(*教育放送)の講師は、高校受験生たちの歴史認識を左傾化させるためにTVで喋り捲った。金成昱記者の報道によると、一々名前を挙げられないほどの数多くの映画界や芸能界の従事者が民主労働党支持を宣言した人々だという。優にグラムシ式の文化戦争と言える。
大韓民国を護ろうとする自由主義・保守主義の知識人社会は、左派文化革命の活動家たちのこういうグラムシ津波にどれほど備えができているだろうか? 政府と公権力もぼうっとしているのは同様だが。

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