韓半島問題で立ち遅れた市民団体=編集余話 瞻星台

日付: 2011年07月05日 21時19分

 高校無償化制度を朝鮮高校に即刻適用することを求める集会が6月23日に東京と大阪で開かれた。東京・豊島公会堂での集会は「朝鮮高校の無償化除外は差別だ」という主張を繰り返すにとどまり、教科書修正には一言の言及もなかった▼東京の集会は「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会(327団体)が主催。韓国から歌手・司会者の孫炳輝、386世代歌手の安致環らがビデオメッセージを寄せ、映画監督の金明俊が来場して「差別反対」を訴えた。参加者には教員や労組員も多かったと見受けられた。朝鮮学校生も大勢参加していた▼教科書問題が浮上してかなりの月日がたつが、問題の焦点は総連による拉致問題、大韓航空機爆破事件などの現代史歪曲だ。これらを訂正しないで済ますということは、金正日政権の工作隠蔽を傍観することだ。それなのに朝鮮高校除外を「差別だ」と繰り返すのは、主催団体側の韓半島問題に対する立ち遅れを示すものだ▼朝鮮学校の教科書は総連中央本部に置かれた教科書編纂委員会が編成している。朝鮮学校は学校法人朝鮮学園が運営する各種学校ではあるが、朝鮮総連が直接人事権を掌握し、朝鮮高校の校長人事は総連中央幹部が兼任する総連お墨付きの人事である。そして総連中央幹部の人事権は金正日政権が握っている。そして朝鮮学校教科書は平壌のイデオロギーから記述されている▼この構図を断つことが総連同胞の課題であるが、そうした事情を踏まえ、市民団体も日本における総連問題と韓半島情勢をもっと勉強すべきでないのか。


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