今反芻すべき韓半島の5大安保戦線

特に「第5列」への対策を!
日付: 2011年06月07日 05時14分

北側の延坪島への無差別砲撃挑発事件で国家的次元で安保態勢の全面的点検と対応策が摸索されている。第1戦線にだけ集中された安保態勢点検がわれわれ自由民主陣営の努力で第2戦線(後方)の重要性も高まったのは幸いだが、他にも第3戦線、4戦線、5戦線への総体的点検と対処が必要だ。
柳東烈
大韓民国の安保戦線は世界的に類例のない5つの戦線で複雑に絡まっている構図だ。
まず、第1戦線は南北が対峙している155マイルの休戦線と海上境界線および空中境界線だ。天安艦爆沈事件と延坪島砲撃挑発事件は第1戦線をまともに護れなかったため起きた事態であり、今回集中点検せねばならない安保戦線だ。
二番目、第2戦線はわれわれの内部、つまり後方に形成されている戦線だ。従来の第2戦線は、パルチザンや北側が直接侵入させた武装共匪だったが、今はわれわれ体制の内部で国のアイデンティティを否定し北韓と連係してわが体制を蝕む主体思想派など従北左翼勢力がネットワーク型で強力に形成している。代表的事例として、多国籍合同調査団の科学的調査を通じて明らかになった北韓の魚雷攻撃による天安艦爆沈事件に対して各種疑惑を提起し反文明的な北韓政権に免罪符を与える反国家的利敵行為をしている集団がその例だ。今回の延坪島砲撃挑発に対しても、従北左翼勢力は北韓に免罪符を与える言動を恣行している。
彼らは大韓民国国民としてあらゆる恵沢は享受しながらも核問題、ミサイル問題、スパイ事件、北韓人権などあらゆる安保事案に対しては金正日政権の立場を徹底的に擁護、代弁し、駐韓米軍撤収、国家保安法撤廃、「連邦制」統一、「主体思想」や「先軍路線」礼賛、金日成親子礼賛など、北韓の対南赤化路線を誠実に遂行している集団だ。問題は彼らが韓国社会の各界各層や制度政治圏などで平和勢力や進歩人士などに包装され良心的民主人士であるかのように振る舞い、韓国の体制安保を脅かす主要要因として作用している点だ。
ところが、天安艦事件後大統領直属で新設された「国家安保総括点検会議」が選定した点検課題には第2戦線への点検が全く反映されていない。韓国内部の安保脅威要素である第2戦線は、見方によっては第1戦線よりもっと重要な安保戦線だ。したがって、第2戦線への総体的な点検と解決なしに確固たる安保態勢の確立という言葉は空しいこだまであるのみだ。
三番目、第3戦線は海外に形成されている親北反韓戦線だ。北側は早くから海外を「朝鮮革命の第3戦線」と看做し、国際社会で韓国政府を孤立化させ北韓路線を擁護、代弁、宣伝して韓国政府を圧迫する海外工作に注力してきた。UNなど国際舞台で天安艦関連対北警告声明を採択した時、「北韓」を特定できなかった外交的恥や失敗は、北側の第3戦線の力量を示した事例だ。
北韓は日本の「朝総連」(在日朝鮮人総連合会)、「韓統連」(在日韓国民主統一連合)、第2の朝総連と呼ばれる中国の「在中朝鮮人総協会」、米国の「在米同胞全国連合」や「自主民主統一米州連合」や「米州同胞全国協会」、オーストラリアの「豪州同胞全国連合」、ロシアの「国際高麗人統一連合会」、ヨーロッパの「韓民族ヨーロッパ連帯」や「在ドイツ同胞協力会」など、海外僑胞(海外在住韓国人)組織を直接操縦し各種親北反韓活動を展開している。特に、在外同胞法の発効(2009年)で、2012年の大統領選挙で海外僑胞の約240万人が投票権を行使する状況を考慮すると、第3戦線の重要性を決して看過できない。
だが、「国家安保総括点検会議」が選定した点検課題には第3戦線への安保点検が全然反映されていない。
四番目、第4戦線は新しく安保領域として浮上したサイバー(Cyber)戦線だ。北韓は既に1990年代から「情報の海」と呼ばれるインターネット空間を「南朝鮮革命の解放区」と看做し精巧にサイバー宣伝扇動、情報収集のためのハッキング、サイバーテロを繰り返した。昨年の7.7サイバー大乱も北側が恣行したが、「北韓」と特定するのが難しいほど高度のサイバー工作力量を保有している。最近北側はサイバー空間をスパイ交信やサイバー戦の主要手段化し対南サイバー攻勢を強化している。今この時間にも北韓の「サイバー戦士」らが平壌や海外拠点で多様なサイバー安保危害活動を展開している。
五番目、第5戦線はわが政府の安保情報機関および司法機関など主要部署に隠密に侵透した勢力が形成した暗黒戦線だ。彼らは去る左派政府の時相当な勢力を形成して集中布陣している。特に、現役陸軍少将の軍事機密漏出事件、予備役空軍少将の軍事機密漏出事件、憲法機関である「平統」(民主平和統一諮問会議)諮問委員の李・ビョンジンスパイ事件(「博士スパイ事件」、インド留学中北側に抱き込まれて軍将校時代から除隊後もスパイ活動継続)、脱北者偽装スパイの元正花に抱き込まれた軍将校事件や、安保事件に対する司法府の一連の理解し難い令状棄却や判決を見ながらいわゆる「第5列」を連想する。
かつて国際諜報史で「第5列」と呼ばれる第5戦線の活躍像(?)を想起する時、第5列への安保的対応はいくら強調しても行き過ぎでない。だが、「国家安保総括点検会議」が選定した点検課題には第5戦線への安保点検が全く反映されていない。青瓦台、国家情報院、軍、警察、検察、法院など政府の主要安保・司法機関に対する徹底した点検が求められる時点だ。
韓半島を取巻く5つの安保戦線で「国家安保総括点検会議」の点検課題では第2戦線、第3戦線、第5戦線への点検が全く言及されていない。安保戦線が複雑に多極化されている状態でこれを総体的に考慮しない安保態勢の点検は不具である。したがっ、て政府は今後21-22世紀に備えて5つの戦線に対する総括的な安保態勢の点検を通じて揺るぎ無い安保戦線を構築せねばならない。安保戦線は属性上「再び」という失敗を許さない冷酷な国家存亡の戦線であることを指摘する。
www.chogabje.com  2010-12-04 14:30

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