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小名浜の鷲神地区。李団長が不明同胞を探しに来た場所の一つ |
震災後、宮城県内の同胞を守るために奮闘した人々がいる。駐仙台韓国総領事館と、民団宮城県本部職員だ。
総領事館に集まった韓国人の数は、一時250人を超えた。職員がかき集めた食料は全員にいきわたらず、女性と子どもに優先的に配ると、「職員は食事をしているのに」と、根も葉もないうわさが流れた。それでも職員は泊り込みで自国民の安否確認をしつつ、特別帰国便に乗せるため、600人以上を秋田と新潟に送り届けた。
民団宮城県本部は4人の常勤職員が休日返上で情報収集。李根茁団長らは15日から3班に分かれ、連絡が取れない地区を車で回った。李団長は「誰もが何かしたいという気持ちだった。団長という立場と責任が、私を動かしてくれた。非常時に手を差し伸べられなければ、民団の存在意義が問われる」と話す。安否確認で使われたのは民団独自の名簿。「歴史があるから名簿がある。これを未来につなげたい」と団長は意気込んだ。